1998 Fiscal Year Annual Research Report
圃場の斜面の幅および長さが土壌流亡量に及ぼす影響について
Project/Area Number |
08660296
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
日下 達朗 山口大学, 農学部, 教授 (50038238)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
深田 三夫 山口大学, 農学部, 助教授 (20116750)
西山 壮一 山口大学, 農学部, 教授 (80036045)
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Keywords | 侵食実験 / 土壌侵食 / 表面流 / 粒度分布 / 粘土比 / 侵食溝 |
Research Abstract |
植壌土と砂壌土を対象として、25cm^3/sおよび50cm^3/sの表面流を作用させた場合の選択的侵食機構についての解明を試みた。実験装置としては、長さ80cm、幅30cm、深さ5cmおよび勾配10゚の木製侵食箱に土壌を均一に敷き詰め、一定の表面流を10分間流した。侵食実験開始後2分毎の流出水量および侵食土量を採取し、1つの実験毎に合計5種の試料を採取した。これを同一条件下で最低5回の実験を試みた。まず、ふるいで砂粒子と他の粒子とを分離し、次にろ紙によるシルト粒子と粘土粒子を分離するという粒度分析の方法を採用した。植壌土および砂壌土双方ともに粘土粒子は実験の初期に多く流出した。砂粒子は侵食量が最も大きくなる期間に最大の侵食量を記録し、この場合、シルト粒子は侵食過程であまり重要な役割を示さなかった。表面流を増加させると砂粒子および粘土粒子の侵食量が増加し、シルト粒子の侵食量は逆に減少した。侵食土壌と元の土壌との各粒子の割合はそれぞれの実験条件下で異なる傾向を示した。つまり植壌土を用いた実験では、侵食土壌中のシルト粒子と粘土粒子はそれぞれの元の土壌の成分よりも多いことが分かった。さらに、本実験の条件下では、Rillは元の土壌と侵食後の土壌の砂粒子の割合が0.64〜0.72の間に発生する事が分かった。この場合、元の土壌の粘土粒子の割合より、侵食土壌中の粘土粒子の割合も多いことが分かった。以上2種類の土壌に対する選択的侵食の傾向を明らかにしたが、これまでにRillの形成過程が不詳であった土粒子の関与についても新しい知見を得ることができた。
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