1997 Fiscal Year Annual Research Report
乗用型田植機に装着するアーム型畦畔草刈機の開発と実用化
Project/Area Number |
08660311
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
有馬 博 信州大学, 農学部, 教授 (40021068)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木村 和弘 信州大学, 農学部, 教授 (40021092)
|
Keywords | 草刈機 / あぜ / 田植機 |
Research Abstract |
平成8年度に実施した,信州大学農学部周辺の水田転作と調整水田の設置状況及び畦畔の断面形状調査と基づいて選定し購入した田植機等を用いて以下の試作機を製作した。 試作機は田植機のトラクタ,その3点ヒッチの先端から後輪の直後を右方向へ伸ばした片持梁型アーム1,さらにそれから前方へ4節回転機構で支持したアーム2,アームのカウンターバランス,0.9kw2サイクルエンジンで駆動する遠心クラッチ付きレシプロ草刈刃,草刈刃の位置と姿勢制御用レバ-等から構成されている。 草刈刃は刈幅440mmまたは,680mmのものを用い,運転者の右斜め前下方で作動させる。この草刈刃はトラクタの油圧で上下させ,水平移動は運転席右のレバ-に連結させたプッシュプルケーブルでアーム2を操作して行う。また草刈刃はトラクタの進行方向を軸として左右へ傾け,畦畔の法面傾斜に合わせることができる。なお,草刈刃が異物へ衝突した場合の破損防止のために,2個所へ安全装置を設けた。 圃場実験の結果,おおむね良好に作動したが,軽量構造の片持梁型アームが振動すること,法面への追従性が不充分であること,なお軽量化の余地があること,路上走行時のアーム折りたたみ構造に不満があることなどのため実験と改良を重ねている。したがって,まだ公開には至ってない。本機の構造と性能に関する学会発表は平成11年春季に行う。 本研究に関連して平成8年7月には信州大学農学部主催で「あぜ草刈りの省力と安全を求めて」と題した技術者向け公開農業セミナーを開き多大な反響を得た。これを受けて平成10年夏には現地であぜ草刈用機材と実技のセミナーを開催する予定である。それまでに試作機の実験と改良を重ね,栽培者に実用性の評価を依頼する。
|
-
[Publications] 有馬 博ほか2名: "開発した加工用ニンジン収穫機の構造と機能" 農作業研究. 32・1. 13-14 (1997)
-
[Publications] 岸 歩・有馬 博ほか2名: "加工用トマト収穫機の開発研究 第4報" 農作業研究. 32・1. 23-24 (1997)
-
[Publications] 城倉 友幸・有馬 博: "果樹園用高所作業車2種の特性と作業能率" 関東甲信越地区大学農場研究資料. 21. 32-33 (1997)
-
[Publications] 北原〓一・有馬 博: "ソバ種子をマーカーとして行った,ハンドトラクタ用ロータリによる土壌の移動解析" 長野県園芸研究会第29回研究発表会講演要旨. 29. 91-92 (1998)
-
[Publications] 有田 博之・木村 和弘: "持続的農業のための水田区画整理" 農林統計協会, 238 (1997)