1996 Fiscal Year Annual Research Report
ガチョウパルボウイルス感染症対策・疫学とワクチン開発
Project/Area Number |
08660387
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
竹原 一明 北里大学, 獣医畜産学部, 助教授 (40171665)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 政幸 北里大学, 獣医畜産学部, 教授 (40281323)
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Keywords | ガチョウパルボウイルス(GPV) / バリケン / 理化学試験 / 抵抗性 / PCR / 中和試験 / 移行抗体 / 対策 |
Research Abstract |
ガチョウパルボウイルス(GPV)の汚染状況を把握するため、過去に当教室でGPV感染症の発生を認めた3つのバリケン飼養農場について、ひなの育成率ならびに血清学的見地からウイルスの動態を調べた。また、GPVの理化学的安定性を調べ、本症対策の一助とした。さらに、感染防御に必要なひなの抗体価を推定した。 育種・育成農場Aについては、GPV感染症によると考えられる被害もなく、1年間を通じて育成率は90%以上が維持された。中和試験による血清学的診断では、種鳥群には1000倍以上の中和抗体価が認められたが、40倍未満の群も散見され、今後の発生が懸念された。育種・育成農場B及びその関連の育成農場Cにおいては、育成率が34〜94%と群間で著しい差が認められ、ポリメラーゼチェインリアクション法(PCR法)によるGPV-DNAを検出及び発症後のGPVに対する中和抗体価の著しい上昇から、GPV感染症と診断された。種鳥の血清中和抗体価は、10000倍を越えるものから40倍未満を示すものまで、個体間で著しく異なり、この不均一な中和抗体の保有が発生に大きく関与していると考えられた。 GPVの野外での安定性を調べるため、異なる温度で保存し、定期的にウイルス力価を測定したところ、37℃保存で12週間以上、室温保存では50週間以上高いウイルス価が維持された。すなわち、完全なオールイン・オールアウトを行い空舎期間を設けても、感受性ひなが導入されると新たな感染が容易に起こることが示唆された。 SPFバリケン発育卵に様々な抗体価の抗GPV血清を投与して得られた移行抗体保有ひなを強毒GPV株で攻撃し、その生存・発育を調べたところ、3日齢時の中和抗体価が1000倍程度で正常な発育が認められた。
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