1997 Fiscal Year Annual Research Report
GSA-11で認識される副細胞型粘液に関する免疫組織化学的・分子生物学的アプローチ
Project/Area Number |
08670024
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Research Institution | Miyazaki Medical College |
Principal Investigator |
菅沼 龍夫 宮崎医科大学, 医学部, 教授 (60115350)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井出 惣幸 宮崎医科大学, 医学部, 教務職員 (20244212)
生沼 勉 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (20168842)
川野 純一 宮崎医科大学, 医学部, 助手 (10136822)
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Keywords | 粘液糖蛋白質 / レクチン / GSA-II / 胃底腺 / 副細胞 / コア蛋白質 / 遺伝子クローニング / グリコシダーゼ |
Research Abstract |
1 胃低線副細胞は従来から表層粘液細胞とは異なった粘液を分布することが知られており、哺乳類の消化管では副細胞の他、噴門線細胞、幽門線細胞、および十二指腸ブルンネル腺細胞に共通してこの特異な副細胞型粘液が発現している。我々はこれまでに副細胞型粘液がGriffoniasimplicifoliaagglutinin(GSA-II)で特異的に認識されることに着目し、ラット胃粘膜よりGSA-II認識糖蛋白質(GMG)を精製、さらにdeglycosylation処理を行い、deglycosylated GSA-II認識糖蛋白質(deGMG)を得た。このdeGMGにたいする特異抗体を作製することに成功したので、副細胞型粘液GMGをコードする遺伝子を明らかにするために免疫スクリーニング法による遺伝子クローニングを開始した。その結果、有力な遺伝子を拾い上げることができ、現在シークエンスを決定中である。 2 また成獣ラット胃低ひこ底腺の副細胞型粘液に焦点を絞り、種々のグリコシダーゼ消化ならびにレクチン組織化学を組み合わせることにより副細胞型粘液の糖鎖構造解析を組織化学的に検討した。その結果、胃底腺において副細胞のみを特異的に認識するレクチンとして新たにpokeweed mitogen lectin(PWM)とMaackia amurensis mitogen lectin(MAM)が見いだされた。種々のグリコシダーゼ消化を組み合わせることにより、腺頸部上方に存在する副細胞はPWMで認識され、ポリラクトサミン構造を有し、またMAMレクチンにより、副細胞はシリアルLewis抗原様糖鎖構造を有することが判明した。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Pon na mb al am S, Girotti M, Yaspo M-L, Suganuma Tet al.: "Primate homologues of rat TGN 38:primary structure, expression and functional implications" J Cell Sci. 109. 675-685 (1996)
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[Publications] 鳥原康治、森満保、菅沼龍夫、井出惣幸: "モルモット蝸牛におけるポリシアル酸の検討" 耳鼻と臨床. 42. 665-669 (1996)
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[Publications] Kawano J, Ide S, Oinuma T, Suganuma T: "Regional distribution of β 1-4 galactosyltransferase in rat epididymis." Acta Histochem. Cytochem.30. 491-496 (1997)
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[Publications] 菅沼 龍夫: "高圧凍結置換法" 電子顕微鏡. 32. 110-112 (1997)
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[Publications] 菅沼 龍夫: "高圧凍結技法を用いた組織化学" 電子顕微鏡. 32 Suppl.2. 133-136 (1997)
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[Publications] 菅沼 龍夫(分担): "組織学-組織化学的アプローチ" 朝倉書店, 310 (1996)
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[Publications] 菅沼 龍夫(分担): "電子顕微鏡 基礎技術と応用1997〜ナノ世界への道" 学際企画, 240 (1997)