1996 Fiscal Year Annual Research Report
日米のC型肝炎の臨床病理学的比較研究-長期経過観察症例を中心として-
Project/Area Number |
08670227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
鹿毛 政義 久留米大学, 医学部, 助教授 (80148840)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐田 通夫 久留米大学, 医学部, 助教授 (10162398)
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Keywords | C型肝炎 / 組織計測 / 肝硬変 / 慢性肝炎 / コンピューター画像解析 / 線維化 / ウィルス肝炎 |
Research Abstract |
1.臨床事例の整理について 久留米大学小児科および第二内科、および国立長崎中央病院臨床研究部にて、肝生検が行なわれfollow upされているC型慢性肝炎約156症例(小児例32例、成人例124)について、基本的な臨床事項について、dataを整理した。成人例(平均年令;46才):輸血歴は2例に認められ、輸血時年令は26才、輸血から肝生検までの期間は平均20年であった。小児例(平均年令;6才):基礎疾患を有する症例は85%で、白血病等の悪性疾患、心臓疾患を有していた。感染経路は82%が輸血であった。 2.病理組織学的検討について 収集したブロックをre-cutし、H.E.染色の他、特殊染色を行ない鏡検した。肝生検組織を、慢性肝炎のStage分類(国際分類)に基づいて4段階に分類した。Stageとportal and periportal gradeのscoreには相関関係が見られ、肝病変の進行した症例では炎症所見が目立った。成人のC型慢性肝炎ではリンパ球濾胞様浸潤、胆管変性、脂肪変性等の組織変化が見られ、小児例にも同様に見られたが、巣状壊死とdysplasiaを除き、小児例では、その程度は軽かった。小児期では、Stageの進んだ症例は少なく(Stage3:4例)、肝硬変はなかった。 3.肝組織計測について コンピュータ画像解析装置を用い、成人C型慢性肝炎23例のAzan,染色標本を対象に、肝生検組織の全体の面積と線維化の全面積を各症例毎に求め、肝組織全体に占める膠原線維の面積比(線維化率:FR)を求めた。肝病変の進展(Stage)とFRとの関係は、Stage/FR%(平均値):Stage1/FR2.7,Stge2/FR3.9,Stage3/FR4.4,Stage4(肝硬変)/FR10.5であり、両者は相関した。50才以上では、高度のFRを呈する症例が増加した。Stageの進行に伴いFRは急上昇する傾向がみられ、とくに55才以上の症例では、その傾向は明らかであった。 4.米国症例の検討 米国の症例についても、同様の臨床病理学的検討が進行中である。
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