1997 Fiscal Year Annual Research Report
レンサ球菌のサイクリックADPリボース代謝酵素の一次構造の決定と活性部位の解析
Project/Area Number |
08670303
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
唐澤 忠宏 金沢大学, 医学部, 講師 (90251917)
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Keywords | A群レンサ球菌 / Streptococcus pyogenes / NAD / cyclic ADP-ribose |
Research Abstract |
平成8年度における研究で、レンサ球菌サイクリックADPリボース(cADPR)代謝酵素遺伝子の一部(120bp)をクローニングしたことを報告した。その断片をプローブにして行ったサザンブロット解析をもとに、染色体遺伝子プラスミドライブラリーを構築した。次に、プラスミドベクター上に設計したプライマーと120bpDNA断片上のプライマーによりsingle specific primer-PCRを行い、その増幅産物の塩基配列を決定した。目的遺伝子は全長1,353bpで451アミノ酸残基の分子量50,703の蛋白質をコードしており、精製酵素のSDS-PAGE上の分子量に一致していた。さらに精製酵素のN末端の比較から、37アミノ酸残基のシグナル領域を持つことが推定された。また、このレンサ球菌cADPR合成・分解酵素は一次構造上、cADPR代謝活性を示す酵素である、哺乳動物リンパ球表面抗原CD38、骨髄肝細胞抗原BST-1やアメフラシADP-ribosyl cyclaseとの相同性は認められなかった。決定した塩基配列をもとに、PCRを用いて本酵素構造遺伝子全長をクローニングし、大腸菌内で発現させた。その結果、ウェスタンブロット解析にて元株と同じ位置にバンドが検出され、酵素アッセイにてNAD分解活性・cADPR代謝活性が確認された。以上のことからレンサ球菌cADPR合成・分解酵素は新しいタイプのcADPR代謝酵素であると考えられた。
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[Publications] 唐澤忠宏: "Streptococcus pyogenesの産生するサイクリックADPリボース代謝酵素" 第43回毒素シンポジウム予稿集. 89-91 (1996)
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[Publications] 唐澤忠宏: "A群レンサ球菌の産生するNAD分解酵素" 長崎大学熱帯医学研究所共同研究報告集. 144-145 (1996)
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[Publications] 唐澤忠宏: "A群レンサ球菌cyclic ADP-ribose合成・分解酵素-遺伝子クローニングを中心として-" 長崎大学熱帯医学研究所共同研究報告集. (印刷中). (1997)
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[Publications] Nata,K: "Human gene encoding CD38(ADP-ribosyl cyclase/cyclic ADP-ribose hydrolase):organization,nucleotide sequence and alternative splicing." Gene. 186. 285-292 (1997)