1996 Fiscal Year Annual Research Report
医学系学術論文で用いられる統計手法と今後の医学系教育における医学統計学の位置づけ
Project/Area Number |
08670381
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
村松 宰 北海道大学, 医療技術短期大学部, 教授 (10109423)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
志渡 晃一 北海道大学, 医学部, 助手 (20206098)
加納 克巳 筑波大学, 医学専門群・社会医学系, 教授 (10101312)
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Keywords | 医学統計学 / t検定 / x^2検定 / コンピュータソフト / 相関 / 医学教育 |
Research Abstract |
我が国における医学教育における医学統計学の講義は公衆衛生学の時間枠の僅かな時間を割いて講義を割り当てているのが現状である.しかしコンピュータソフトの普及とともに医学論文で使用される統計手法の量も種類の増加の一途をたどっているが,その使われ方において誤用も目立つようになり,成績に大きな影響をあたえており,問題は重大である.本年は国内の医療系雑誌,及び紀要の33雑誌を対象にして1986年から1995年までの10年間における総説,短報,報告,資料を除く約2,300論文について統計手法の種類,使われ方を吟味した.医学論文で統計手法が使われた割合は約50%弱で近年増加の傾向にある.使われた手法は,記述統計を除いた解析的手法だけで30種類を超え,使用頻度の高い手法はt検定,相関と回帰,x^2検定が3大手法であり,次いで分散分析,因子分析であった.使用頻度が高かった手法について,その誤用について解析した.t検定では,対応がある,対応がないの区別が記載されていない,対応がない場合に等分散の検定を行い,必要な場合にウエルチの方法を使っていたものは,対応のないt検定のうち約6%しかなかった.x^2検定では,約半数の論文で適切な使われ方がされなかった.誤用の内容は,セルの中の出現度数の数が少なく,期待度数が5以下,2X1表で1が順序データでマンホイットニ-の適用が適切であるという例が多かった.相関分析ではピアソンの相関係数が多く,連続量のデータではないものをスコア化して連続量データとしてピアソン相関係数を用いている例が多かった.多変量解析における因子分析では累積寄与率が低いにもかかわらず,因子の潜在構造の意味付けを行っている例がみられた.最も基本的なサンプリングもミスが20%にみられ,今後の医学教育における統計医学教育の充実がさらに望まれる結果となっている.平成9年度は主に欧文論文との比較を検討する予定である.
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