1998 Fiscal Year Annual Research Report
種々の生活パターンにおける血圧・体温など生態諸変数の日内変動に関する研究
Project/Area Number |
08670436
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
上園 慶子 九州大学, 健康科学センター, 助教授 (00168618)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
徳永 幹雄 九州大学, 健康科学センター, 教授 (90038464)
川崎 晃一 九州大学, 健康科学センター, 教授 (00038704)
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Keywords | 睡眠-目醒 / 生活パターン / シフト / 日内リズム / 血圧 / 体温 / 性格 |
Research Abstract |
睡眠・覚醒のパターンをシフトさせた時生体諸変数の日内リズムに現れる変化に着目し自他覚的所見や心理学的特徴との関連を検討するため、男子大学生9名(平均21.3歳,170.1cm,63.8kg)を対象にして、72時間の連続実験を実施した。環境要因や生活行動は標準化し、就床時間のみ1日目は通常、2日目は断眠(徹夜)、3日目は12時間シフトと変化させた。 体温の日内変動は強固で体内リズムの指標とされるが、口内温は3日間同型の日内変動を示す者、就床時間のシフトによりリズム性が低下する者など個人差が大きかった。 コーチゾールの尿中排泄は変動幅・パターンともに3日間全く同様であり、摂食や睡眠とは無関係に有意に固有の口内リズムを認めた。電解質・クレアチニンの尿中排泄量も有意の日内変動を示したが、シフト後は通常の変動型とそのシフト型の合成型を示した。 血圧・脈拍は就床中低く覚醒中は高い明確な2相性を示し、睡眠時間のシフトに伴って偏位した。体重は起床後、食事摂取と一致して小さな山を作りながら漸増し就床前に最高値となった。断眠日の体重増加は通常日より多かったが、就床後の減少も多く、前値に復した。血液中の項目は有意の変動を認めたが、多くは断眠の間変化せず、シフト後は起床後通常日よりやや低いレベルで同型の変動をした。自覚的Vigilance(爽快度)・充実感は断眠によって急速に低下し、反応が増大した。シフト睡眠後は通常の睡眠同様、一旦回復するものの回復には時間がかかり、回復後早期より再び低下し始めた。 生理的諸変数は項目により固有のリズムを保つもの、睡眠のシフトや付随する食事摂取の量・時間変化に影響されるものなど様々であった。詳細な結果は報告書を参照されたい。項目毎のリズム特性や項目間の相関関係、自覚的所見や心理学的特徴との関連について分析中であり、今後逐次報告の予定である。
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