1996 Fiscal Year Annual Research Report
末梢神経老化防止に関する研究-末梢神経血流量が老化に及ぼす影響-
Project/Area Number |
08670737
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
木原 幹洋 近畿大学, 医学部, 講師 (00153172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井 良之 近畿大学, 医学部・附属病院, 助手 (40268389)
高橋 光雄 近畿大学, 医学部, 教授 (20028492)
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Keywords | 末梢神経血流量 / 加齢 / エンドセリン / アンギオテンシン / 糖尿病 / 局所環流 / ACE阻害剤 / 水素クリアランス |
Research Abstract |
本年度は、まず水素クリアランス法を用いた末梢神経内血流測定方を確立した。微小電極の作成;直径10μのプラチウム針金をガラスで被覆し、それをさらに加熱し伸展させる事により直径を5μまで縮小させ微小電極を作製した。血流量の測定;次にラットに+20mVに帯電させ、水素を吸引させる事により全身に水素イオンを充満させた。そして坐骨神経分岐部に前述した微小電極を刺入させ水素イオン濃度が飽和状態になっている事を確認した。水素吸入を中止し、減少する水素イオン濃度の変化を連続記録した。血流量の算出;求めたデーターをコンピューターでカーブフィティングをさせ、末梢神経血流量を算出する事に成功した。 以上の結果を用いて、以下の実験をさらに施行した。坐骨神経周囲の筋肉を剥離してプールを作製し、その中にリンガー液を充満させた。そしてまず基礎末梢神経血流量を測定した。次に、そのプールに種々の濃度のAngiotensinIIとeEndothelinを局所循環させて血流量の変化を測定した。今年度は生後10ヶ月の加齢ラットと加齢を促進しているとされるSTZ誘発糖尿病ラットを用いて行った。 (1)加齢ラットはAngiotensinIIの10-6Mの局所循環でも、Endothelinの10-6Mの局所循環でも末梢神経内血流量を低下させたが、その程度はEndothelinの方がより強かった。 (2)STZ誘発ラットでは正常対照ラットに比べてAngiotensinIIの局所循環の減少量は10-10,10-8,10-6,10-4Mいずれの濃度でも大きかった。ACE阻害剤であるcilazaprilを経口投与した所、STZ誘発ラットの末梢神経の血流は増加し、神経生理機能検査でも投与前比べて改善がみられた。
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