1997 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト皮膚肥満細胞と神経由来悪性腫瘍における細胞間相互作用
Project/Area Number |
08670981
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
出光 俊郎 秋田大学, 医学部, 助教授 (20237027)
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Keywords | 肥満細胞 / 神経線維肉腫 / 細胞培養 / stem cell factor / 細胞接着 / 細胞間相互作用 |
Research Abstract |
1 神経線維肉腫由来細胞のヒト皮膚肥満細胞(HSMC)生存に及ぼす影響 ヒト皮膚肥満細胞を単層に発育した神経線維肉腫由来細胞と共生培養し、線維芽細胞と培養した場合、あるいはこれらのfeeder layerを用いない場合で形態や生存に変化があるかどうかについて検討を行った。その結果、HSMCは神経線維肉腫由来細胞と共生培養した場合において正常ヒト皮膚由来線維芽細胞をもちいた場合、およびfeeder layerを用いなかった場合にくらべて有意にその生存を亢進した。すなわち、われわれの得た神経線維肉腫由来細胞はHSMCの生存に好都合な環境を提供していることがわかった。形態学的にはfeeder layerがない条件では円形を呈する肥満細胞は、神経線維肉腫由来細胞や線維芽細胞と培養した場合に細長くなることが判明した。これは両者の間に密接な細胞間相互作用の存在することを示唆すると考えた。 2 神経線維肉腫由来細胞のHSMC分化、増殖因子の検討 本細胞が肥満細胞増殖因子であるstem cell factor(SCF)を産生するかどうかについてRT-PCRを用いてmRNAレベルで検討した。神経線維腫細胞や正常線維芽細胞はSCFmRNAを発現したが、神経線維肉腫由来細胞では発現がみられなかった。これは神経線維肉腫由来細胞のHSMC生存促進作用がSCFmRNA以外の物質を介するものであろうと想定された。
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[Publications] Demitsu T., Murata S., Kakurai M., Kiyosawa T., Yaoita H.: "Immunocytochemical characterization of malignant schwannoma-derived cells in culture." Journal of Dermatology. 24[1]. 1-6 (1997)
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[Publications] Demitsu T., Murata S., Kakurai M., Kiyosawa T., Yaoita H.: "Malignant schwannoma-derived cells support human skin mast cell survival in vitro." J Dermatol Sci.(印刷中).
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[Publications] 出光俊郎: "肥満細胞の培養について-ヒト皮膚肥満細胞の培養-." アレルギーの臨床. 17[7]. 628-631 (1997)