1996 Fiscal Year Annual Research Report
抗精神病薬としてのカルバマゼピンの作用機序に関する研究
Project/Area Number |
08671103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
加澤 鉄士 埼玉医科大学, 医学部, 助教授 (20204373)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湊川 文子 埼玉医科大学, 医学部, 助手 (60146272)
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Keywords | Carbamasepine / アデソラン受容体 / ドパミン受容体 / 抗精神病薬 |
Research Abstract |
まず、D-2dopamine受容体に対するcarbamazepineの影響を検討した。ラットにvehicleのみを2週間腹腔内投与したコントロール群、haloperidol 1mg/kgを腹腔内投与した群、haloperidol 1mg/kgとcarbamazepine 10mg/kgを1日2回経口投与した群の3群に分け、3H-YM-09151-2を用い、線条体におけるD-2受容体数の変化の有無について検討した。薬物を2週間慢性投与後、3日間の断薬期間をおき、受容体結合実験を行なった。haloperidol単独投与群では、コントロール群(Bmax 25.2 fmol/mg,Kd 32 pM)に比較し、Kdは変化せず、受容体数が約20%増加していた。haloperidolとcarbamazepineを併用投与した群でもhaloperidol単独投与群と同様に20%前後の受容体数の増加が認められ、炭酸リチウムを併用投与した場合にみられるようなhaloperidolによる受容体数増加を抑制するような効果は認められなかった。dopamineによる抑制曲線の変化の有無についても検討したが、dopamineのIC50は3群とも1000nM前後であり、また、Gpp(NH)pの存在下でのdopamineの抑制曲線も3群の間で有意な差は認められなかった。次にAdenosine-1(A-1)受容体に比較的選択的なligandである^3H-CHA(N^6-cyclopentyladenosine)を用い、ラットのfrontal cortexにおけるBmax.Kdの変化の有無を、同様の処置をした3群のラット脳組織を用いて検討した。A-1受容体に対して選択的な薬剤であるCPA(N^6-cyclohexyladenosine)50nM存在下での結合をA-1受容体の特異的結合とした。コントロール群(Bmax 19.2fmol/kg,Kd 1.85 nM)と比較し、haloperidol慢性投与群では10%前後の受容体数の減少傾向がみられ、haloperidolとcarbamazepineの併用投与群では受容体数がやや増加していた。
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