1996 Fiscal Year Annual Research Report
開心術における心筋保護モニタとしての誘電スペクトル解析法の確立と臨床応用
Project/Area Number |
08671520
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Gifu University |
Principal Investigator |
森 義雄 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (40220032)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 寿人 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (50262770)
佐々木 栄作 岐阜大学, 医学部・附属病院, 助手 (20273138)
村川 真司 岐阜大学, 医学部, 助手 (40229977)
広瀬 一 岐阜大学, 医学部, 教授 (20101272)
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Keywords | 誘電スペクトル / 心保存 / 電気インピーダンス / 心移植 / 左室Emax / 温度補正 / 心筋保護 |
Research Abstract |
我々は実験的に誘電特性のパラメータであるloss tangent (tan δ)の極大値(tan δ m)の動態と再灌流後の心機能との関係について検討し、さらに臨床例における大動脈遮断中のtan δ mの動態について、体外循環離脱後の心機能との関係を検討し、誘電スペクトル法の心筋保護に対するモニタリング法としての有用性を検討した。 実験的検討として、ブタの摘出心を4℃生理食塩水に浸潰保存して、経時的にtan δ mを計測し、それぞれ異なるtan δ mの低下を示した時点で異所性腹部心移植を行った。保存前に対する再灌流2時間後の左室Emaxの回復率(%Emax)と保存中のtan δ mの動態との関係を検討した。保存前5.5±0.5であったtan δ mは保存中(150〜360分)、徐々に低下した。保存時間と%Emaxには有意な相関がなかったが(r=0.37)、保存中に計測されたtan δ mの最低値即ち移植前値(3.8±0.8)と%Emaxは有意に相関していた(r=0.85)。 また、臨床的検討として成人開心術を対象とし、大動脈遮断中におけるtan δ mの変化を検討した。また体外循環前に対する離脱2時間後(DOA 3or5 μ g/kg/min)の分時左室仕事量の回復率(%LVWI)と遮断中のtan δ mの動態との関係を検討した。この際、温度に依存するtan δ の変化分を排除するため、我々が既に確立した温度補正式を用いてすべての値を心筋温37℃に補正し、同じ基準で比較検討した。大動脈遮断直前5.3±0.7であったtan δ mは遮断中(35〜110分)、徐々に低下した。各症例において、遮断中に計測されたtan δ mの最低値(3.7〜4.6)と%LVWIは有意に相関していた(r=0.98)。遮断時間とtan δ mの最低値には有意な相関はなかった(r=0.41)。 誘電スペクトル法で心筋保護中の心筋の状態をモニタリングすることにより、再灌流後の心機能を予測しうる可能性が示唆された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Ishikawa M: "Detection of myocardial ischemicinjury dring simple coldstorage by measurement of myocardial electrical impedance" The journal of cardiovascular surgery. 37・3. 261-267 (1996)
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[Publications] Ishikawa M: "Evaluation of myocardial viability during simple cold strage with the use of electrical properties in broadfrequencies。" The journal of heart and lung transplantation. 15・10. 1005-1011 (1996)
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[Publications] 板東道哉: "低温単純浸潰保存中の心筋の誘電特性計測による移植後心機能の予測" 岐阜大学医学部紀要. 45・2. 201-20 (1997)