1997 Fiscal Year Annual Research Report
三次元直線運動、三次元回転運動の6軸を同時に測定しうる振戦解析装置の開発
Project/Area Number |
08671573
|
Research Institution | Hamamatsu University School of Medicine |
Principal Investigator |
杉山 憲嗣 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 講師 (00235904)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
植村 研一 浜松医科大学, 医学部, 教授 (60009561)
横山 徹夫 浜松医科大学, 医学部・附属病院, 助教授 (20166896)
|
Keywords | 振戦 / 振戦解析 / パーキンソン氏病 / 不随意運動 / 3 space isotrack |
Research Abstract |
振戦を客観的に測定しようとする試みは、光学系、ストレンゲージ、加速度測定機(accererometer)などを使用して、現在までに様々なものが試みられたが、これらの方法は、主に一方向の直線成分のみしか測定出来ないため、実際の振戦の様に、三次元的な、しかも回転要素も加わるものには対応しきれず、他方、測定に煩雑な手順を必要としたために、実際の臨床場面で使用されることは少なかった。本研究において、我々は、回転要素をも含めた振戦運動を6軸(X,Y,Zの三次元直線運動,及びazimuth,elevation,rollの3次元回転運動)同時に、簡便にかつ十分な精度で解析し得る装置の開発を行った。平成8年度にデータの解析法の開発および改善を行い、平成9年度に解析結果の表示法の改善および正常値の決定を行った。開発された振戦解析装置は、3 space isotrack及びパーソナル・コンピューターを使用し、16秒間で512点のサンプル価採取を行い、上記6軸の振戦運動の振幅、および角度変化を検出するもので、プログラム言語の変更、DOSファイルへのコンパイルなどによって、機器立ち上げ時間、解析、表示時間は、当初の1/20となり、一般臨床家にとって、十分使用に耐えうる速さとなった。また、フィルタを使用することにより、螺旋描画時の振戦をも検出できるものとなった。平成9年度には、振戦解析装置による解析結果にフーリエ解析を加え、さらに振戦のベクトル表示を試みた。正常値は、directional square mean;0.0531±0.0539cm,rotational square mean;0.1930±0.2027度であった。これにより、パーキンソン氏病の淡蒼球手術効果の解析が行われ、手術により、振戦が統計的に有意に改善するものの、正常値には到らないことが明かとなった。
|