1996 Fiscal Year Annual Research Report
妊婦頚管粘液中のサイトカイン動態と切迫早産、早産との関連について
Project/Area Number |
08671854
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
佐川 正 北海道大学, 医学部・附属病院, 講師 (20170623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 伊都子 北海道大学, 医学部, 助手 (70238682)
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Keywords | インターロイキン-1α / インターロイキン-1β / インターロイキン-6 / インターロイキン-8 / 頚管粘液 / 細菌性腟症 / 頚管炎 / 早産 |
Research Abstract |
本研究で得られた成績は“Screening for Bacterial Vaginosis and Cervicitis Aimed at Preventing Premature Delivery"として、The Journal of Obstetrics and Gynaecology Researchの1997年2月号に掲載予定である.以下にその概要を記した. 早産の原因として注目されている子宮内感染の多くは,腟・頚管を経由した上行性感染により生じるため,細菌性腟症や頚管炎の治療は早産の予防に役立つと考えられる.妊婦にこれらの感染症のスクリーニングと治療を行い,早産予防におけるこの方法の有効性と問題点を検討することを目的とした.当科の妊婦外来を受診した妊婦のうち,内科的・産科的合併症や胎児奇形,多胎妊婦などのない365例を対象とした.妊娠10週,妊娠20週,妊娠30週の検診時に,同意を得た後,細菌性腟症と頚管炎のスクリーニングを行った.スクリーニングの結果,上記の感染症が判明した症例は抗生剤・抗菌剤による治療を行った.365例中58例(15.9%)が細菌性腟症と診断された.治療後、54例が治癒していたが,3例は治療に抵抗性を示し,1例は再燃した.頚管炎は37例(10.1%)において診断され,そのうち7例(1.9%)は細菌性腟症を合併していた.治療により,頚管炎の全例が陰性となった.早産は365例中9例(2.5%)と低率であり,妊娠35週未満の早産は頚管無力症の1例(妊娠23週6日で分娩)のみであった.早産の原因としては7例が特発性,2例が頚管無力症(1例は経腟超音波断層法所見と臨床経過より診断され,頚管縫縮術後,妊娠36週3日で分娩)であった.細菌生腟症と頚管炎のスクリーニングおよび治療は、早産を予防する上で有用と考えられたが,経腟超音波断層法による頚管無力症のスクリーニングを併せて行う必要性が示唆された.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Tadashi Sagawa: "Cytokines Concentrotions in the Cervical Mucus of Pregnant women" J. Obstet Gynaecol. Res.22・5. 517-522 (1996)
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[Publications] 佐川 正: "子宮内感染と羊水情報" ペリネイタルケア. 15・6. 491-496 (1996)
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[Publications] Sayeda Begum: "Screening for Bacterial Vaginosis and Cervivcitis Aimed at Preventing Premature Delivery" J. Obstet Gynaecol. Res.23・1. 103-110 (1997)
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[Publications] 藤本征一郎: "切迫早産の診断法と治療" 日産婦誌. 48・3. N43-N46 (1996)