1998 Fiscal Year Annual Research Report
胎児・新生児の周産期適応に関する研究 特にアポトーシスト成長因子の関与について
Project/Area Number |
08671895
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
平松 祐司 岡山大学, 医学部・附属病院, 講師 (80218817)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中田 高公 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
増山 寿 岡山大学, 医学部・附属病院, 医員
水谷 靖司 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (20294465)
上村 茂人 岡山大学, 医学部・附属病院, 助手 (90281154)
|
Keywords | 胎仔 / 新生仔 / 周産期 / 上皮成長因子 / ポリアミン / DFMO |
Research Abstract |
胎仔・新生仔の周産期適応に関する研究をおこなった.分娩を境に胎仔は肺呼吸,経口摂取を開始し,新生仔の諸臓器は機能的に変化することにより適応している.これまでの研究により胎仔は出生直後に母乳栄養が確立するまでの間,エネルギー不足になるためこれを補う目的で妊娠末期には,胎仔肝グリコーゲンは非常に蓄積され,出生直後のこの時期をのりきる準備を行っていることが明らかとなった.また,母乳,特に出生直後分泌される初乳の中に含まれる上皮成長因子(EGF)は膵内分泌系を刺激し,糖代謝をanabolicな方向へ偏移させ,新生仔消化管酵素を活性化し出生直後の新生仔の外界適応に重要な役割を担っていることが判明した. さらに胎仔発育と密接に関係しているポリアミン代謝につき検討した.ポリアミン代謝阻害剤であるα-difluoromethyl omithine hydrochloride monohydrate(DFMO)を母体投与すると,胎児発育遅延がおこるが,その機序としては胎盤でのポリアミン代謝障害がもっとも強く関与していることを証明した.
|