1996 Fiscal Year Annual Research Report
網膜神経細胞とミュラー細胞間の相互作用に関する研究
Project/Area Number |
08672048
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
高橋 広 産業医科大学, 医学部, 助教授 (00129511)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
周 正喜 産業医科大学, 医学部, 助手 (60269066)
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Keywords | 神経栄養因子 / 網膜 / 培養 / PCR法 |
Research Abstract |
成熟した哺乳動物の中枢神経細胞の生存・再生は困難とされていたが、ミュラー細胞が網膜神経細胞の生存・再生に寄与していることは明らかとなり、ミュラー細胞が神経栄養因子を産生していることが示唆される。本研究の本年度の目的はこのミュラー細胞が産生している網膜神経細胞、特に網膜神経節細胞の生存・再生に関わる神経栄養因子の同定である。 まず、マウス、ラット、家兎や人眼を用い、得られた神経網膜をパパイン処理後、poly-L-lysineを塗布した培養皿に単層培養した。各種の網膜神経細胞が生存していることを確認した後、抗GFAPなどの抗体にてfeeder layerにミュラー細胞が存在していることを同定した。そして、ミュラー細胞を含むfeeder layerよりacid guanidium thiocyanate-phenol chloroform 法にてRNAを抽出した。reverse transcription-polymerase chain reaction(RT-PCR)を用い、神経栄養因子の遺伝子レベルの発現を検討した。主にミュラー細胞からなる培養網膜細胞においてnerve growth factor(NGF)、brain-derived neurotrophic factor(BDNF)、glia cell line-derived neurotrophic factor(GDNF)、interleukin-6(IL-6)遺伝子の発現をmessenger RNAレベルで確認できた。 ミュラー細胞が網膜神経細胞の生存ならびに再生に必要な神経栄養因子を産生している可能性が示唆された(第100回日本眼科学会総会ならびに 第7回 International Symposium on Retinal Degeneration)。Condition Mediumを用いたin vivo系やin vivo系の実験を継続している。 また、SV40 large T 遺伝子をもちいたミュラー細胞株樹立実験では細胞の純度が問題となり、検討中である。
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