1996 Fiscal Year Annual Research Report
び漫性浸潤癌の細胞増殖マーカーと遺伝子異常に関する免疫組織化学的研究
Project/Area Number |
08672154
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyama Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
岩井 正行 富山医科薬科大学, 医学部, 助教授 (20094865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古田 勲 富山医科薬科大学, 医学部, 教授 (10014268)
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Keywords | び慢性浸潤癌 / 細胞増殖 / PCNA / NORs / サイクリンD_1 / p53 |
Research Abstract |
び慢性浸潤癌における細胞増殖マーカーである細胞増殖核抗原(PCNA)と核小体形成体(NORs)と、細胞増殖と関連のある癌抑制遺伝子p53ならびに細胞増殖に制御するサイクリンD1蛋白の発現について検索した。 対象は舌癌症例58例から得た生検組織片で方法はPCNA、サイクリンD1およびp53は免疫組織染色を行ない、一次抗体はそれぞれP10、DCS6,DO7を用いた。NORsは関口の変法に準じて鍍銀染色を行った。顕微鏡下で観察し陽性細胞比率を算定した。浸潤様式の判定は山本の分類に従い、4Cと4D(4型)をび慢性浸潤とした。 結果:1.PCNAとの関連(43例) 舌癌症例のPCNAはM±SD=30.2±13.4で、舌粘膜上皮より高値を示した。PCNAは1-3型で低値を示し(M±SD=26.5±7.9)、4型で高値(M±SD=41.1±6.7)を示した。 2.NORsとの関連(55例) 舌癌症例のNORs数は3.8±1.4と高値を示した。浸潤様式との関連はNORs数は1-3型で3.2±0.8、4型で4.9±1.4であった。1-3型は低値であるのに対し4型では高値であった。 3.サイクリンD1との関連(37例) サイクリンD1との関連では浸潤様式1-3型で10/24例(41.3%)であるのに対し、4型では12/13例(92.3%)と高値であった。4.p53との関連(47例) p53は10%未満を陰性とした。陽性例は1-3型では16/34例(47.0%)であるのに対し、4型では9/13例(69.2%)と高値であった。 考察と結論:舌偏平上皮癌では、び慢性浸潤癌はPCNA,NORa,サイクリンD1およびp53の全てが高値を示した。このことから瀰慢性浸潤癌は細胞増殖活性が高いことが明らかとなり、p53遺伝子異常ははひ慢性浸潤癌の発生に関与していることが示唆された。
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