1997 Fiscal Year Annual Research Report
高血圧自然発症ラットの血管平滑筋収縮におよぼす各種麻酔薬の直接作用に関する研究
Project/Area Number |
08672164
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
佐藤 雅仁 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (60215845)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 望 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (70285641)
佐藤 裕 岩手医科大学, 歯学部, 助手 (40284898)
城 茂治 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (20154411)
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Keywords | 細胞内カルシウムイオン / 血管平滑筋 / SHR |
Research Abstract |
正常ラット(WKY)の場合と同様に、高血圧自然発症ラット(SHR)の大動脈血管平滑筋標本を作製し、前年度で確認されたWKY標本と同じ条件下(蛍光カルシウム指示薬Fura-2/AM10μM、37℃、3時間)で処理し、収縮張力、蛍光強度比の変化を同時測定した。 高カリウム(50mMKC1)投与による脱分極刺激によりWKY大動脈血管平滑筋輪状標本(WKY-ring)、SHR-ringとも細胞内カルシウムイオン濃度([Ca^<2+>i])増加を伴う収縮がみられた。収縮張力は、SHR-ringのほうがWKY-ringより大きい傾向が認められた。 また、各々の標本にノルアドレナリン(10^<-7>M)投与による受容体刺激を行ったところ、WKY-ringに比してSHR-ringのほうが収縮張力、[Ca^<2+>i]の増加量の両者とも有意に大きいことが観察された。このことは血管平滑筋の直接作用としてもSHRでは同じ刺激でも容易に血圧が上昇することを示している。平滑筋収縮機構の内どの経路が、SHRで亢進しているのか現在検討中である。 さらに、近年開発された新しい静脈麻酔薬プロポフォール(2μg/l)をおのおのおのringに投与したところ、静止張力からさらに弛緩反応を示すことが確かめられた。しかしプロポフォールの基剤の自家蛍光が強く、現在[Ca^<2+>i]の測定法を検討中である。
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