1998 Fiscal Year Annual Research Report
歯肉炎症組織における一酸化窒素産生酵素の誘導遺伝子とアポトーシス
Project/Area Number |
08672177
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
遠藤 英昭 東北大学, 歯学部, 助手 (80168830)
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Keywords | 歯周病関連細菌 / 一酸化窒素 / HL-60 / スーパーオキサイドディスムターゼ / カタラーゼ / アポトーシス |
Research Abstract |
1. 研究目的 前骨髄性白血病由来HL-60細胞を用いて、歯周病関連細菌と一酸化窒素の刺激で、アポトーシスがどのように誘発されるのかを検討し、併せて活性酸素関連酵素の細胞内誘導について酵素免疫学的に検出した。 2. 実験方法 HL-60を培養面積75cm^2のプラスティック・フラスコに10%牛胎児血清含有RPMI1640培地で発育させ、回収・洗浄した後、一定の細菌数に希釈し、5種類の歯周病関連細菌(Porphyromonas gingivalis W50,W83,ATCC33277,Prevote11a intermedia ATCC25611,ATCC25261)の菌体で刺激した。一定時間刺激した後、蛍光色素(ヘキスト33342,アクリジンオレンジとエチジウム・ブロミド)で染色し、落射型蛍光顕微鏡で観察し、クロマチンの凝縮でアポトーシスを判定した。細菌の菌体刺激と同時に、一酸化窒素を自発的に放出するNOR(エチル-ハイドロキシイミノ-ニトロ-ヘキサン-イル-ピリジン)を添加した時のアポトーシスの誘導についても検討した。また、これらの刺激でHL-60細胞内に誘導される活性酸素関連酵素であるSOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)やカタラーゼについて、免疫蛍光抗体法で染色し、観察した。 3. 結果および考察 HL-60細胞のアポトーシスは各細菌間でほとんど差がなく、対照ともあまり差がなかった。SODやカタラーゼも同様に顕著な誘導は見られなかった。これは、HL-60が未熟な細胞であり、細菌菌体・内毒素に反応するには更に他の因子、たとえばインターフェロン-γなどの関与が必須であると思われる。
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Research Products
(1 results)