1997 Fiscal Year Annual Research Report
低温加圧成形法を応用した高靱性歯科用セラミックス材料の開発
Project/Area Number |
08672260
|
Research Institution | KANAGAWA DENTAL COLLEGE |
Principal Investigator |
楳本 貢三 神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (40097275)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉田 茂昭 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (20104333)
|
Keywords | 低温 / 加圧成形 / 靱性 / セラミックス / ウィスカ- |
Research Abstract |
セラミックスの特徴である生体親和性を生かし、さらに靱性を兼ね備えたセラミックス材料の開発と、加圧成形法を応用し低い温度でセラミックス成形体を作製する方法を検討した。セラミックスの成形温度を低下させるため、水で練和することにより一次硬化する無機反応物中(マグネシアとりん酸二水素アンモニウム)に陶材粉末(長石、シリカ、アルミナ)をコア材として添加し、ついで加圧加熱することにより、さらに硬化体の結合力を増加することを期待したセラミックス材料(以下、自己硬化型と呼ぶ)、および陶材粉末表面をジルコニア溶液で処理した粉末を加圧後加熱する方法を検討した。また、これら成形体の靱性向上のためにウィスカ-の添加を検討した。ウィスカ-は、チタン酸カリウムウィスカ-(長さ10〜20μm、直径0.3〜1.0μm)およびケイ酸アルミニウムカルシウムウィスカ-(長さ約150μm、直径約0.5μm)である。さらに、ウィスカ-以外の添加材として多角形シリカフィラーも検討した。成形したセラミックスの耐磨耗性、表面あらさおよび原型に対する適合性を検討した。 その結果、自己硬化型セラミックス材料では、陶材粉末単味の焼成温度である約940℃より低い焼成温度700℃で成形体が得られた。また、成形体の曲げ強さの向上には、チタン酸カリウムウィスカ-添加が有効であることが示唆された。一方、ジルコニア溶液処理した2および4wt%チタン酸カリウムウィスカ-添加ヴィンテージ混合粉末を850℃で加熱した成形体では、特に優れた曲げ強さを示した。また、曲げ強さを向上させるための添加材の形状は、多角形よりもアスペクト比の大きい方が有利であった。ウィスカ-添加は耐磨耗性に影響はないが、表面あらさはやや大きな値を示した。適合性を検討したところ、成形体は原型より収縮していた。
|