1997 Fiscal Year Annual Research Report
X線CT画像を用いた顎関節の補綴学的三次元再構築と顎頭位診断への評価
Project/Area Number |
08672268
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Research Institution | Aichi-Gakuin University |
Principal Investigator |
森 隆司 愛知学院大学, 歯学部, 助教授 (00159188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大山 尚彦 愛知学院大学, 歯学部, 助手 (80291772)
宇佐美 博志 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (00231176)
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Keywords | 顎関節骨形態再構築 / 顆頭位 / 臨床検査 / X線CT |
Research Abstract |
顎関節骨形態の定量的評価や機能的適合性に関する情報を得るために,コンピュータ断層撮影(CT)を利用した測定法を開発し,これを顆頭位の臨床診断に繋げることを目的とする。 そこで、CT画像による顎関節部の再構築像から関節空隙を三次元的に計測して,顎関節の骨形態と同時に顆頭全体の位置を表示し,更に歯の要素の情報の一つとして咬合平面を画像内に組み入れることで,より臨床的に,顎関節の視認性を高める方法について検討した。結果の概要を,以下に示す。 1.考案したCT撮影治具を用いることで,CT画像内に補綴学的基準面を設定することが可能になった。したがって,一回の軸位断面撮影CT検査で,設定した基準面に対応した関節窩の位置および,これに対する顆頭の三次元形態を左右両側同時にとらえることができて,生体への負担や浸襲を軽減した。 2.近接面距離分布図を作製することで,顆頭形態と同時に,顆頭の相対的位置および,関節空隙量を視覚的に評価することができた。 3.健常有歯顎者の咬頭嵌合位における関節隙量(顆頭-関節窩間距離)は,2〜3mmが顆頭全体の約44%と最も広い範囲を占め,次いで1〜2mmが34%の範囲を占めた。関節空隙量が1mm以下の部位は,2%と小さい。 4.視覚的に表示した近接面距離分布図からみると,個体差はあるが,顆頭は下顎窩のほぼ中央に位置する。 5.これらの臨床的に有益と考える情報を含む顎関節の三次元再構築画像を,特別の処理装置を用いないで,汎用パーソナルコンピュータで作製することができた。 6.以上から,本法は顆頭形態および顆頭位を臨床的に評価する上で極めて有用だといえる。
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