1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08672290
|
Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岩城 博 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (70107308)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
根岸 明秀 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (60270914)
大井田 新一郎 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (10114745)
|
Keywords | AMF / AMFR / nm23 / NDPKinase / 口腔癌 / 扁平上皮癌 / 浸潤・転移 |
Research Abstract |
我々は口腔癌の浸潤・転移のメカニズムを明らかにするために、各種ヒト口腔扁平上皮癌細胞株を用いて、既知あるいは未知の関連遺伝子の検索を行ってきた。 Autocrine Motility Factor(以下、AMFと略す)は自己分泌型遊走因子として知られ、発生の初期段階の未分化な繊維芽細胞やある種の腫瘍細胞で特異的に分泌されるサイトカインである。AMFと癌の浸潤能との間に深い関連を示唆する報告が相次いでおり、また臨床材料では腫瘍組織におけるAMF受容体 AMFR eceptor(以下、AMFRと略す)の発現量と予後との間に関連性を示唆するデータもいくつか報告されている。 我々は各種ヒト口腔扁平上皮癌細胞株の間で、このAMFとAMFRの発現の検索を行ってきた。我々は高転移性株LMF-4がAMFを分泌していることをみいだし、LMF-4の分泌したAMFは、口腔癌以外の繊維肉腫細胞株(HT1080)にも作用することがわかった。しかも、LMF-4の運動能はAMFの濃度依存性に高まることがわかった。一方、各種ヒト口腔扁平上皮癌細胞株の間でAMFRのcDNAをプローブにノーザンブロット解析を行ったところ、非浸潤型で非転移性のHSC-2、HSC-4ではmRNAの発現が低いが、高浸潤型で高転移性ののHSC-3、LMF-4では発現が高いことがわかった。すなわちAMFRのmRNAの発現レベルが、口腔癌細胞の持つ浸潤・転移の能力との間に相関があることが示唆された(以上、Y.NIINAKA et al.:INTERNATIONAL JOURNAL OF ONCOLOGY,9:433-438,1996)。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] Y.NIINAKA et al.: "Autocrine motility factor and its receptor expressions in human oral squamous cell carcinoma (SCC) cells" INTERNATIONAL JOURNAL OF ONCOLOGY. 9. 433-438 (1996)
-
[Publications] 宮崎英隆: "頭頸部癌におけるnm23/NDPキナーゼの発現と癌転移抑制作用に関する研究" 口腔病学会雑誌. 65・2(in press). (1998)
-
[Publications] 道 健一.天笠光雄 編: "口腔顎顔面外科治療学" 永末書店, 385 (1996)