1996 Fiscal Year Annual Research Report
顎関節の老化と変形性顎関節症発症に関する免疫組織化学的研究
Project/Area Number |
08672348
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
覚道 健治 大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (30131379)
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Keywords | 顎関節 / 老化促進モデルマウス / I型コラーゲン / II型コラーゲン / X型コラーゲン / ヒアルロン酸結合蛋白 / 下顎頭軟骨 |
Research Abstract |
本研究では,関節軟骨の細胞外基質に着目し,加齡に伴う関節組織の構造および形態変化と変形性顎関節症発症との関連について検索するために,SAM顎関節下顎頭ならびにヒト顎関節における各種コラーゲンおよびグリコサミノグリカンの加齡変化を免疫組織化学的に検討することを目的に本研究を計画した.本年はSAM顎関節下顎頭を検討するため,実験動物には京都大学胸部疾患研究所から分与を受けたSAMRI系,SAMP8系マウスを親とし,池尾らの飼育条件で繁殖させた雌SAMRI/OduおよびSAMP8//Oduマウスのうち,生後2,4,8,10か月齢のものを用いた.4%パラホルムアルデヒド(リン酸緩衝)を用いて大腿動脈より灌流固定を行い,ただちに顎関節を摘出し,さらに,同固定液で12時間浸漬固定を行い,EDTA脱灰の後,パラフィン切片を作成し,LSAB法でI型,II型,およびX型コラーゲンならびに,ヒアルロン酸結合タンパクの各抗体を反応させた.さらにDAB発色キットで発色後,水洗,脱水,封入の後鏡検した.4か月齢のSAMP8系では2か月齢と比較して,I型コラーゲンは下顎頭軟骨中間層および肥大層において染色性の低下を示し,II型コラーゲンは肥大層から中間層および線維層に反応が拡大した.X型コラーゲンは下顎頭軟骨肥大層から中間層まで反応が拡大した.また,HABPは肥大層および中間層において染色性に低下を示した.以上の所見はSAMRI系の4か月齢では認められず,6か月齢以降に認められた.
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