1998 Fiscal Year Annual Research Report
体感音響システムにおける音楽と振動とリラクセーション効果との関係
Project/Area Number |
08672677
|
Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
深田 美香 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 講師 (10218894)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福田 千佐子 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (60116366)
松浦 治代 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 助手 (70243409)
三瓶 まり 鳥取大学, 医療技術短期大学部, 講師 (90226085)
|
Keywords | ボディ ソニック システム / リラックス反応 / β-エンドルフィン |
Research Abstract |
ボディソニック前後における血中β-endorphinの増減を分析し,リラックス反応の指標としての有効性について検討した。 安静時の正常人の血漿中エンドルフィン値は5〜20pg/mlといわれており,身体的,心理的なストレスにより分泌増加する。今回の実験では最も変化の大きかった被験者で,4〜19pg/mlであり,ほとんどが3〜10pg/mlの間で変化していた。負荷後にβ-endorphinが増加した対象のうち,安静臥床,音楽鑑賞,ボディソニックによりβ-endorphinが減少した人もいれば,不変,あるいは増加した人もいた。ストレス負荷により増加したβ-endorphinが,ボディソニック体験により減少した人は50%であった。ボディソニックによりβ-endorphinが減少した人でも,必ずしも主観的にもリラックスできたと答えていない。また,振動については強く感じている人が多い。このように今回の研究では,主観的なリラックス感とβ-endorphinの反応は必ずしも一致していない。 今後,より詳細に主観的な情動反応やβ-endorphinの増減を分析していく必要がある。主観的な情動反応については音楽のもつ要素として,音楽を鑑賞することを楽しめたかどうか,また音楽を鑑賞する態度として,感情的に聴いているのか,知的に聴いているのかなど主観的な反応をより詳細に検討することが必要である。また,β-endorphinの増減については反応の個別性を考慮して分析していく必要がある。 β-endorphinによりリラックス反応を評価することは現段階では単独指標としては充分ではないが,ストレス軽減,つまりリラックスの直接的な評価であるため,今後リラックスの指標として確立する意義は大きいと考える。
|
Research Products
(1 results)