1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
疋田 洋子 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (90031674)
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Keywords | 解体木材 / 古材 / 再利用 / 環境保全 / 廃棄物処理 |
Research Abstract |
研究実績概要(平成8年度) 本研究は解体木材を再利用する観点からその可能性を追求し、その諸条件を整えることを目的としている。 平成8年度は、解体業者と施工業者に解体または施工工事の現状と解体木材再利用に対する意識について郵送によるアンケート調査を行った。その結果、解体工事については、現在は経済的理由から機械解体を選択し、大量廃棄を行っているが、このような処理を続けることに対して問題点を感じている業者が多く、また施工業者も解体材を利用した工事を依頼されれば引き受ける意志があることが判明した。アンケート調査とは別に、解体材を販売している商店、解体材を家具に加工する芸術家へのヒアリングを行い、解体材の再利用を円滑に行うためのシステムを考える資料とした。解体材を利用して建てた住宅または施設の事例調査では、どの部分の材料をどこにどのように利用したかなど4例について調査したが、利用の仕方は多様であった。 実験の部では、築後年数30〜243年を経た8戸の解体木材について、樹種鑑定後、JIS木材強度試験方法に準拠して曲げ強度、圧縮強度試験を行った。その結果、実験に供した8戸の解体木材(ヒノキ、マツ、ツガ)については新材の標準値を上回っており、目視により劣化や著しい断面欠損部分を取り除いた木材は、使用に耐え得るものであることが判明した。
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