1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680019
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Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
疋田 洋子 奈良女子大学, 生活環境学部, 教授 (90031674)
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Keywords | 古材 / 解体木材 / 再利用 / 曲げ強度 / 圧縮強度 / 環境保全 / 廃棄物処理 |
Research Abstract |
本研究は解体木材を再利用する観点からその可能性を追求し、その諸条件を整えることを目的としている。 平成10年度は、昨年度に引き続き解体材の有効利用の事例調査を行った。本年度は、設計者を介して知り得た情報を盛り込み、古材再利用建物221事例と、古材販売企業、団体の一覧表を作成した。 福島県の解体作業に参加し、解体作業のながれ、困難な点、注意事項を確認した。解体作業を行った住宅は、建坪52坪、作業員は21名で、一日平均11〜13名でのべ190人で、実質解体日数は14日である。大半がボランティアであったので、慣れた作業員が行えば、時間の短縮はのぞめる。 古材のJISによる強度試験について順次行ってきた9棟分の曲げ強度、縦圧縮強度の実験結果を、例数の多かったヒノキについてまとめ、比強度で建築年数との関係を検討した。その結果、年数との相関関係は認められなかったが、いずれの事例でも、古材は新材より強いことが確認できた。従って、腐り、虫害、大きな欠損がなければ、古材は十分使用に耐えうると結論した。 古材の再利用法は、今のところ設計者や施工者の個々のやり方に頼っている面が多い。しかし、日々解体される木材量は莫大な量であり、今後、再利用、再々利用を考えた解体木材の利用法、システムを構築することが急務であると考える。
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