Research Abstract |
本研究は,科学技術素養と創造性の育成を理念とする新科学カリキュラムの開発のために,素材の集積とその内容分析を目的としている.本研究は,3年間の継続研究が予定されている.本年度は,以下の研究を行った。 1.基本的図書の収集と素材の内容の概略の調査:素材集積のために,物理・化学・生物・地学間の総合的な内容,環境科学・環境教育,新しい科学・技術,サバイバル的課題,自然・人工的世界像,高次概念,科学と経済・社会,科学と技術,科学技術と日常生活,科学技術リテラシィ,科学論・科学史,科学技術政策,創造性・問題解決,認知研究,諸外国の科学教育,理科教材,自然への興味・関心,科学技術教育論,教科論などに関わる図書を購入し,素材の内容の概略を調査して,素材集積の参考とした.総合的な内容の図書は,当初予想していたより数が少なく,本研究の意義が再確認された事態となっている.なお,図書はまだまだ不足している. 2.カリキュラムの枠組みと素材集積の方針の考察:環境科学,科学技術リテラシィ,科学と他教科の相互乗り入れ,科学内部の部分的総合化をそれぞれの軸とする4種類の新カリキュラムの枠組みを考案し,それらの素材について,構成的内容の素材群(環境科学,科学内部の総合化,新しい科学,科学と技術の関係,科学技術と日常生活,高次概念等),文脈的内容の素材群(サバイバル的課題,科学論等),および認知・指導的内容の素材群(問題解決,創造性等)の三群からなる分類を考案し,その細部について検討した. 3.その他:Window95-パソコンによる素材集積の環境整備を進めつつある.また,日本科学教育学会研究会(平成9年4月5日,於東学大)で,研究代表者が研究成果を発表する.今後は,典型的な素材の集積と分析の研究へ進む予定である.
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