1997 Fiscal Year Annual Research Report
現代青少年の人権意識の調査と人権学習を核とする中学校社会科の総合単元の開発
Project/Area Number |
08680269
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
影山 清四郎 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (60089563)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西脇 保幸 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (80228246)
北川 善英 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (50115557)
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Keywords | 知識としての人権 / 人権理解の態度化 / 人権意識と行為 |
Research Abstract |
1 今年度の研究課題:昨年度の教科書分析並びに実践分析をふまえ、青少年の人権意識に関する調査の実施に先立って、社会科における人権教育の可能性をさぐるために、中学校3年の公民分野で17時間にわたる実験的授業を実施することにした。実践者は横浜市立新羽中学校の加藤幸也教諭である。 2 実験的授業の概要:今日の社会科における人権教育の多くは、知識理解が中心となっており、それは生徒の態度やスキルの育成に結合していない。その問題点を克服するために、現実の人権問題についての判断場面から入って、次に知識理解を図り、再び人権問題を考えるという三段階で実施した。 3 実践の評価:当初の一般的・抽象的人権理解が、より具体的に深化した認識に変化したことを読み取ることができるが、在日外国人問題などの自己と切断して把握できる対象と、男女差別などの自らの態度決定を迫られる対象とには格差がみられた。人権問題を自らの問題としてとらえ、判断の準拠枠・態度化を図ることの困難性を示している。自己に接近すればするほど日常的人間関係が強く影響してくることを物語っていることが明らかになった。
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