1997 Fiscal Year Annual Research Report
一般化の考えの習得過程に及ぼす問題解決方略の指導の影響に関する発達的研究
Project/Area Number |
08680270
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
石田 淳一 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (70144186)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 敏和 横浜国立大学, 教育人間科学部, 助教授 (70212777)
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Keywords | 一般化の考え / 問題解決方略 / 規則性発見問題 |
Research Abstract |
規則性発見問題に対する問題解決力を育てるための指導方法の開発を目的として、小学5年生を対象に以下の2点について調べる実験授業を行った。 (1)「少ない場合から順に調べてきまりを見つける」方略の指導は、方略の獲得の指導だけで十分かどうか。 (2)「図の構造に着目した式」を一般化する指導において、n=6の式をn=100に一般化する指導を行えば、n=100の問題場面でも子どもは小さい項数の場合を手がかりに解決できるかどうか。 愛知県内の公立小学校の5学年2クラスを用いて、2種類の指導計画(3時間)を作り、事前テスト、実験授業、事後テストを行った。クラス1は方略の獲得と応用の指導、n=6の場合に図から式を作り、それをn=100に一般化する指導を受けた。クラス2は方略の獲得の指導、n=6の場合に図から式を作りそれをn=100に一般化する指導およびn=100の問題場面で小さい項数の式を作りそれを一般化することの指導を受けた。事前・事後テストを分析した結果、次のことが分かった。 (1)「マッチ棒の階段」問題(逆タイプ)では、クラス1の成績がクラス2の成績よりも優れた。 (2)「おはじきの数」問題(n=6、n=100)では、クラス間に成績の差がなかった。 (3)「マッチ棒の数」問題(n=100)では、クラス2の成績がクラス1の成績よりも優れた。 以上の結果は、2クラスで指導された個々の学習事項はいずれも欠かすことのできないものであることを示唆する。
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