1997 Fiscal Year Annual Research Report
障害児における書字指導プログラムの作成に関する基礎的研究
Project/Area Number |
08680273
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Joetsu University of Education |
Principal Investigator |
大庭 重治 上越教育大学, 学校教育学部, 助教授 (10194276)
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Keywords | 障害児 / 書字指導 / 筆圧 |
Research Abstract |
本研究は,書字学習の初期,特に平仮名書きの学習に困難を示す児童・生徒を対象にして,その学習を促すための指導方法の検討を行うことを目的とした研究の一環として行われている基礎的研究である。本研究では字形に影響を与える要因として特に筆圧を取り上げて分析の対象とするとともに,筆記用具の持ち方の発達的状態も合わせて検討し,書字の改善を導くための手だてを探っている。具体的には,平仮名書きや簡単な幾何図形の描画課題等を与え,課題遂行中の筆圧を測定するとともに,筆記用具の使用状況及び課題遂行中の手指の動きをVTRに記録した。また,言語教示が筆圧のコントロールにどのように関与できるかについても検討した。その結果,筆圧のコントロールには課題遂行中の運動感覚系からのフィードバック情報の他に,表現結果からの視覚的情報や課題遂行中の聴覚的情報も関与していることが示唆された。このように本年度の研究遂行過程において,当初計画していた問題の検討に加えて,新たに感覚モダリティーの観点からの検討も必要となった。そこで,昨年度からの問題の継続的な検討に加えて,視覚障害児も研究の対象として含めることにより視覚的情報の役割を詳細に分析した。視覚障害児の場合,表現課題遂行時には視覚的なフィードバック情報の取り込みが極めて困難であるため運動感覚系からの情報が中心的な役割を果たすことになる。そのような条件下において,与えられる教示の効果がどの程度筆圧のコントロールに現れるかを分析した。次年度は3年計画の最終年度にあたることから,教示方法の検討や筆圧の分析方法の検討と並行して,筆圧という観点から書字指導プログラムを作成していくための基礎的データを収集,整理していく予定である。
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Research Products
(1 results)