1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680295
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
佐藤 園 岡山大学, 教育学部, 助教授 (80154061)
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Keywords | 家庭科教育 / 教育の現代化 / アメリカ / 家庭科の全体構成 / 家族・保育学習 / 総合学習 / 教科学習 |
Research Abstract |
1 1960年代以降のアメリカの家庭科教育の理論の系譜を明らかにするために、昨年度までで収集できなかった資料を調査・収集した。この作業は、大学の中央図書館の文献検索システムの利用および広島大学の図書館の所蔵資料調査を通して進め、国内・国外に文献の貸借・複写を依頼した。収集した資料は、研究室備え付けのワードプロセッサを用いて整理すると共に、複写した資料はファイルにより整理した。 2 昨年度収集できなかった1953年から現在まで版を重ねながら出版され続けているアメリカの家庭科プロジェクトYoung Livingの収集を試みたが、第1版(1953年出版)を入手することができなかった。収集できた版で見る限りでは、60年代、70年代、80年代以降に家庭科教育観の転換が図られたことがわかる。本研究で調査した限りでは、50年代に作成されたプロジェクトが現在まで出版されている例は他に見当たらなかったため、今後、欠落している資料の収集を続け、1950年代から現在に至るYoung Livingにみられる家庭科教育観の転換について明らかにしていきたい。 3 収集した資料から、我が国の家庭科の根本問題となっている家庭科教育の全体構成の在り方とそこでの家族・保育学習の位置づけについて考察を行い、本学部の研究集録にその結果を発表した。 4 本研究で行ったTeen Guideの分析から明らかになった家庭科教育観「生活科学者」を、我が国の家庭科を一教科として成立させていくための一つの家庭科教育理論としてとらえ、「総合学習の可能性と家庭科教育の独自性」として家庭科教育学会で報告した。この結果は、同学会誌に投稿するために、現在、論文作成中である。 5 アメリカ家政学会に出席された方や他教科でアメリカの研究をされているる方にお話しを伺い、これまで明らかにしてきた本研究の成果を報告書としてまとめた。
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