1996 Fiscal Year Annual Research Report
ヘリカル型磁場における高エネルギー単一粒子閉じ込めの研究
Project/Area Number |
08680541
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
森本 茂行 金沢工業大学, 工学部, 教授 (20026248)
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Keywords | プラズマ / 核融合 / ヘリカル磁場 / トーラス磁場 / 磁気面 / 荷電粒子 / 電子銃 / 電子ビーム |
Research Abstract |
本年度は先ず、バイアス電圧を1.5kVまで印加できる単一アノード口を有する小型電子銃(直径3mm)を製作し、同時に、磁場中におけるこの電子銃のアノード口の方位角と射出電子の実際のピッチ角との関係を計算により明らかにした.その結果、実際の実験条件(磁場強度:500G)では、バイアス電圧が500V以上になると、射出電子のピッチ角がアノード口の方位角とほぼ一致することがわかった.実験はヘリオトロンDR装置において、蛍光ターゲット法とステラレータ4極管法を用いて行った.電子銃は電子の軌道損失の空間依存性を調べるために大半径方向に16cm可動であり、同時に、磁場に対するピッチ角依存性を明らかにするために回転可能な構造となっている。最初の実験は、ヘリオトロンDR装置の標準磁場配位において、バイアス電圧を800Vに固定し、電子ビームの射出位置をパラメータとして、電子の捕捉状況がピッチ角にどの様に依存するかを調べた.その結果、射出位置がトーラス外側になると、ピッチ角の増大と共に電子の閉じ込めが次第に悪化することが両方の測定法で確認された.次に、磁気軸変位の高エネルギー電子の閉じ込めに対する効果を調べ、理論的予測の通り、磁気軸のトーラス内側変位により閉じ込めが改善することが示された. なお、以上の結果に関しては、本年3月に開催される第52回日本物理学会年会講演会で報告する予定である.
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