1997 Fiscal Year Annual Research Report
藻場造成による湖沼生態系修復技術に関する研究-ニューラルネットワークを利用した中海アマモ場造成手法の提案-
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08680607
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Research Institution | TOTTORI UNIVERSITY |
Principal Investigator |
松原 雄平 鳥取大学, 工学部, 助教授 (60116374)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒岩 正光 鳥取大学, 工学部, 助手 (10225279)
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Keywords | 湖沼生態系 / アマモ場 / 藻場造成 / ニューラルネットワーク / シティゲーション |
Research Abstract |
研究の最終年度として,アマモ生成密度に寄与する環境要因として,水温,塩分,水深,光量,流速,底質,砂面変動量を抽出し,各アマモ場造成試験データをもとに,ニューラルネットワークを構築しその認識率を検討した.さらに得られたネットワークに対して,感度解析を行い,各要因がアマモの株密度にどのように影響するかを調べ,藻場造成に適した環境要因ならびに造成条件を明らかにした.解析に使用した調査データは,鳥取県中海水域,瀬戸内海域,九州沿岸域など全部で57地点のデータである.得られた結果を要約すると以下のようである.1.水底勾配は0に近ければ近いほど,アマモの生育には好適である.2.光量はアマモ場生成に重要な要素の1つで,光量が多いほどアマモ密度が向上する.3.ホトトギス貝は,アマモの競合生物で,アマモの生育水深のうち比較的,砂の安定度の高いところでマット状に分布する.ホトトギス貝がマットを形成されるとアマモの密度が下がる.4.海水流動の作用としては,栄養塩の補給,代謝老廃物の排除,懸濁物質の藻体への付着・育成基盤への堆積防除,胞子・卵の分布拡大などがあるが,アマモ場に必要な流速は3.3(cm/s)がよい・以上である.本研究では,中国,九州域で行われてきた藻場造成のデータを使用したが,全国的に網羅することができなかった.今後さらに多くのデータを収集して同様の解析を行う必要がある.
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[Publications] 松原雄平: "ニューラルネットワークを利用したアマモ場造成手法の関する研究" 平成9年度日本水産工学会学術講演会講演論文集. 119-120 (1997)
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[Publications] 松原雄平: "アマモ場造成による生態系修復技術に関する研究" 土木学会 海洋開発論文集. 第13巻. 693-698 (1997)
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[Publications] 松原雄平: "ニューラルネットワークを利用したアマモ場造成手法に関する研究" 土木学会 海岸工学論文集. 第44巻・2号. 1206-1210 (1997)