1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08680908
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
堂前 嘉代子 大阪大学, 微生物病研究所, 助手 (80127266)
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Keywords | 腎症候性出血熱(HFRS) / Hantavirus B-1株 / ラット / 薬剤投与 / 免疫機能不全症 / 伝播様式 |
Research Abstract |
Hantavirus高感受性nude ratをindicatorとして用いた感染伝播機構の解明 A.完全密封式アイソレーターキャビネット内に感染ラットと同一ケージ内、又は同一区域に飼育したindicatornude ratは、何れもhantavirusに対する抗体価が認められエア-ゾル感染が成立した。 B.ウイルス接種ラットの感染性virusの排出時期については、virus接種後の各々の時期において同一ケージ内飼育したnude ratの抗体価を追跡することにより検討した。 a.High titer(2048倍以上)抗体価保有ラットはvirus接種後16週までケージ内感染が成立したが、その後は高抗体価を維持するものの感染は成立しない。 b.Middletiter(256〜2048倍)、Low titer(2〜256倍)抗体価保有ラットでは13週まで感染性を示したが以後は認められず、感染後4〜5ヶ月で感染性が消失する事が明らかになった。 実験的に免疫不全症を誘発したラットの感染性 A.抗体価は検出されるがnude ratに対する感染性の認められなくなったラットにcyclophosphamide(100mg/kg)量を投与し実験的に免疫不全状態にし、nude ratと同一ケージ内で飼育したところ、抗体価保有ラット全てに再び感染性が認められた。 B.成熟野生型ラットにcyclophosphamide 200^<mg>/Kg体重量を投与し実験的に免疫機能を低下させ感染ラットと同一ケージ内飼育した結果、4週後には抗体価の上昇が認められ早期に感染が成立した。 以上、実験動物がHantavirusに対する抗体価を保有し、免疫不全状態を誘発する実験的処置がされると、伝播拡大の要因となることが示唆された。また、健常野生型ラットにおいても免疫機能の低下はrecipientとなるに充分な要因となることが明らかになった。
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