1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08771729
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
小杉 紀子 昭和大学, 歯学部, 助手 (10245805)
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Keywords | 抗菌性仮封材 / 銀ゼオライト / ゼオミック / 発育阻止円 |
Research Abstract |
今回、銀ゼオライトを軟質レジン系仮封材に添加した抗菌性仮封材を試作して、その抗菌効果と抗菌力の持続性について検討した。 【材料と方法】1.抗菌性仮封材の試作:仮封材はDuraSealを使用し、抗菌性フィラーはゼオミックAJ10Nを使用した。ゼオミックを0、5、10、15、20、25、30wt%となるようにDura Sealに均一に混入し、直径8mm、高さ2mmのディスクを作成した。完成したディスクの抗菌効果を抗菌性試験を行って検討した。 2.抗菌性試験(有効濃度の判定):試験菌にはS.mutansおよびS.sobrinusをそれぞれ2菌株ずつ使用した。抗菌効果の測定は、Todd Hewitt軟寒天と試験菌を混合した混釈培養法により行った。72時間恒温槽内で嫌気培養を行った。抗菌効果は、ディスクの周囲に形成された細菌の発育阻止円の大きさにより判定した。 3.抗菌効果持続性の検討:ゼオミックを10、15、20、25wt%含有するディスクを実験用人工唾液に撹拌浸漬した。浸漬期間は7、14、21、28日とし効果の持続性を検討した。 【結果】ほとんどの試験菌において仮封材に抗菌性フィラーを10wt%以上添加することによって発育阻止円が認められた。S.mutansでは直径8mmのディスク周囲に形成された阻止円の直径は25wt%で14mmであった。また、その大きさは濃度依存性を示した。抗菌効果持続性の検討では、25wt%添加ディスクを7日間浸漬した場合のみ、S.mutansに対する抗菌力が認められたが、その他のディスクの抗菌力は認められなかった。以上の結果より、試作抗菌性仮封材は今回使用した試験菌に対し明らかな抗菌効果を示したが、実際の臨床において口腔内に存在する種々の細菌に対する抗菌効果及び効果の持続性について今後更なる研究が必要であると思われる。
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