1996 Fiscal Year Annual Research Report
都市地下空間の土壌・地下水汚染物質挙動に関わる水分・有機炭素・土壌成分の影響評価
Project/Area Number |
08832003
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Section | 時限 |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石井 義裕 大阪大学, 工学部, 助手 (30243166)
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Keywords | 地下水汚染 / 不飽和帯 / トリクロロエチレン / 土壌水分 / 吸着係数 |
Research Abstract |
主要な土壌・地下水汚染物質の一つであるトリクロロエチレン(TCE)の不飽和土壌中での挙動に影響を与える要素である「土壌水分」「土壌への吸着」について実験的に研究を行った.「土壌水分」については1次元カラムを用いてモデル土壌(ガラスビーズ,珪砂)に水分を含有させた完全被覆状態のモデル土壌について濃度測定を行った.「土壌への吸着」については,遅れ係数を吸着係数を含んだ形で表現し,吸着係数は各土壌についてバッチ実験により求めた.さらに,1次元カラム実験において乾燥状態のモデル土壌(ガラスビーズ,珪砂,赤玉土,鹿沼土)について濃度測定を行った. 得られた知見を以下に示す. (1)基本的に吸着の生じないガラスビーズに水分を保持させたモデル土壌においてもガス拡散挙動に遅れが生じていることがわかった.これは数%程度の土壌水分が存在することで,TCEガスの拡散挙動は遅れ現象を生じていることを示しており,これはTCEガスの土壌水分への溶解によるものと考えられる. (2)ガラスビーズ,珪砂,赤玉土,鹿沼土に対してTCEガスの土壌への吸着係数を求めた.ガラスビーズでは吸着係数が十分小さくガス挙動に与える影響が微細であるが,赤玉土,鹿沼土では今回の実験ではガラスビーズより3桁以上大きな値を示しており,遅れ係数としても大きな値となっており,無視できない吸着現象が生じることがわかった. (3)1次元カラム実験により吸着係数を考慮した遅れ係数を用いることで,拡散現象に遅れが生じることを十分表現できることがわかった.
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[Publications] 石井義裕: "飽和多孔体中を流下する有機塩素化合物溶液の濃度低下" 水工学論文集. 40. 1133-1136 (1996)
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[Publications] 李昌洙: "土壌間隙水を含む不飽和帯での有機塩素化合物ガスの溶解・吸着を遅れ係数として扱った場合のガス挙動" 第30回日本水環境学会年会講演集. 153- (1996)
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[Publications] 李昌洙: "乾燥ガラスビーズ・細砂における有機塩素化合物の吸着係数測定" 日本水環境学会関西支部第1回研究発表会講演集. 87-88 (1996)