1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08877212
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
宮地 鑑 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (40281703)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江連 雅彦 東京大学, 医学部・附属病院, 助手 (20282642)
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Keywords | 局所心筋機能 / 心筋の硬さ(stiffness) / 触覚センサー / 局所心筋壁応力 / 虚血性心疾患 |
Research Abstract |
研究実績の概要 局所心筋機能の新しい評価法として、局所心筋の硬さstiffnessを計測することを目的とした。従来の触覚センサー(tactile sensor)に改良を加え、心拍動に追随、心収縮拡張周期における心筋stiffnessの経時的変化を測定可能なシステムの開発は完了した。このシステムによって計測されたstiffnessの局所心筋機能評価法としての有用性を実験動物(雑種成犬)を用いて、検討した。 触覚センサーによりin situで心拍動下に心筋stiffnessの計測に成功し、絶対値(gram/mm^2)として表現することができた。計測された心筋stiffnessは従来より提唱されている収縮期末stiffnessの概念と異なり、局所壁応力(張力)を反映していることが示された。触覚センサーで計測した収縮末期stiffnessは局所心筋収縮能の評価方法として有効で、特に心筋収縮能が均一でない虚血性心疾患において有用である。一方、局所心筋拡張機能の評価に関しては、拡張末期stiffnessの計測は薬剤投与による心不全心筋ではその有用性は明らかではなかったが、虚血心筋では評価方法として有用であることが示された。以上、実験的には触覚センサーによる心筋stiffnessの計測は局所心筋機能の評価法として、有望であることが証明された。 今後は、臨床応用に向けた新しいタイプのセンサーの開発を行う方針である。
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