1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09041023
|
Research Institution | Tokiwa University |
Principal Investigator |
柄澤 行雄 常磐大学, 人間科学部, 教授 (70161255)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 厚義 中国社会科学院, 社会学研究所, 研究員
陸 学芸 中国社会科学院, 社会学研究所, 所長
稲月 正 北九州大学, 外国語学部, 助教授 (00232512)
園田 茂人 中央大学, 文学部, 教授 (10206683)
小林 一美 神奈川大学, 外国部学部, 教授 (70076595)
|
Keywords | 現代中国 / 改革開放 / 産業化 / 村落構造 / 基層文化 / 社会変動 / 現代化 / 家族・親族 |
Research Abstract |
本研究の目的は、改革・開放政策をおし進める中国において、それに伴う社会変動をその基層文化の組み替えと展開の過程としてとらえ、それを人々の「現代化」に向かうエネルギーとその論理から理解しようとするところにある。そのために、北京市の東郊約50kmに位置する河北省三河市の社会的展開の方法が異なる二つの村落(燕郊鎮馬起乏村、同西柳河屯村)を調査対象地として選定して、研究第2年目の1998年度には前年度に引き続き以下のような調査研究を中国の研究分担者とともに行ってきた。 (1) 両村の村民委員会を中心とした村落運営の機構・組織、財政運営などに関する聞き取り調査と資料収集。 (2) 二村落の全家族の家族構成、親族関係などに関する調査票調査の実施(約800世帯)。 (3) 村営企業、私営・個人企業に対する聞き取り調査(約80経営体)。 (4) 村落の歴史的展開と村落生活に関する聞き取り調査など。 そこから得られた主な知見を上の調査課題について整理すれば、以下のようである。 (1) 村落および村民委員会は中国共産党の政治的支配の機能を果たすと同時に、住民生活全般にわたる総合的サービス供給機能を担う組織として機能している。その意味では、かつての人民公社(生産体)の基本的連続線上にあるといえる。 (2) 家族は多様化しつつも、人々の生活の重要な拠点であり、伝統的倫理によりその統合が維持されている。 (3) 中国経済の発展が減速しつつある中で、調査村落の村営企業はその影響を受けて停滞気味であるが、個人・私営企業は村落の経済発展の原動力となっている。そこでのビジネス展開の一つの契機として、他地域(都市)との個人的ネットワークが持つ意味が大きい。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] 佐々木 衛: "中国朝鮮族の家族ネットワーク" 山口大学文学志. 49号. 155-172 (1999)
-
[Publications] 柄澤行雄他共著: "中国の労働・社会保障システムの基礎的研究(I)" 日本労働研究機構, 212 (1998)
-
[Publications] 佐々木衛編・解説: "中国の家庭・郷村・階級" 文化書房博文社, 234 (1998)
-
[Publications] 園田茂人編: "証言・日中合弁" 大修館, 206 (1998)
-
[Publications] 張厚義他編: "中国私営企業発展報告(1978〜1998)" 社会科学文献出版社, 397 (1999)
-
[Publications] 佐々木衛他共著: "中原と周辺:人類学的フィールドからの視点" 風響社, 421 (1999)