1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09041025
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
黒田 景子 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (20253916)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新田 栄治 鹿児島大学, 法文学部, 教授 (00117532)
土佐 桂子 神戸大学, 国際文化学部, 助教授 (90283853)
桑原 季雄 鹿児島大学, 法文学部, 助教授 (00225319)
青山 亨 鹿児島大学, 多島圏研究センター, 助教授 (90274810)
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Keywords | 海域世界 / 観光政策 / 共生 / 国民文化 / 世界観 / 多民族 / 銅鼓 / 伝統の創造 |
Research Abstract |
[黒田] 国民国家としてのイメージを他者にアピールするための装置としてのマルチメディアと博物館に注目し,その将来の展望を関係機関への訪問・インタヴューによって調査した。調査協力者(石井由香)によりマレーシアのマルチメディア関連の人材育成のコンセプトを聴き取り、シンガポールの博物館構想についての文献収集をおこなった。 [青山] 伝統的世界観の形成におけるジャワ海域世界の役割を調査するために、同海域の西端に位置するスマトラ島および、同海域の中心部に位置するジャワ島西部のバンテン、カラワンにおいて現地調査をおこなった。 [桑原] インドネシアのバリ島のリゾートホテルと地域社会との関係やパリ文化の商品化の実態を、主なリゾート地のリゾートホテルをいくつか訪れ、ホテルのマネージャーやオーナーへのインタビューによる調査を、観光に関する政府刊行物等の資料調査、資料閲覧・収集と並行して行った。来年度はマレーシアにおける観光の最近の新しい動向について実態調査を行う。 [土佐] ミャンマー連邦カレン州のターマニャ山への関心をもとに調査を続けている。この地域は民族、宗教上の複雑な構成を持っており、自治を目指すカレン民族と国軍との内戦の続く紛争の土地であった。この内部に近辺の村落のみならず、遠くは首都ヤンゴンなどからさまざまな人々が移住してきている。内部では菜食を守り武器を持ち込まないなどの規則のもとで、多民族が共生している。科研調査では、この土地のなかで、多民族がいかに共生しているか、また、それぞれの民族が従来の居住地と比較して、どのような形で伝統をとらえているか、また、伝統を創造しているかといった観点から調査を行っている。 [新田] 1997 年にクアラトレンガヌで新発見のへ一ガ-1式銅鼓の新資料を精査した。マレー半島西岸地域での銅鼓の分布に新しい知見を得た。南シナ海に注ぐ河川の河口からの出土であり、河川交通や海運との関係を示す資料である。昨年度の調査で得られたサバ州北端からの銅鼓とも合わせて、南シナ海の交渉をめぐる新たな知見が得られる資料となる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 黒田 景子: "ナコンシータマラートの拡大政策:1811-1839" 東洋学報. 80-4号(印刷中). (1999)
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[Publications] 青山 亨: "“Prince and Priest:Mpu Tantular's Two Works in the Fourteenth Century Majapahit"" 東洋学報. (掲載予定). (1999)
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[Publications] 桑原 季雄: "バリ島におけるリゾートホテルと地域文化" 鹿児島大学法文学部紀要人文科学論集. (印刷中). (1999)