1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09041035
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Research Institution | Bukkyo University |
Principal Investigator |
真田 康道 佛教大学, 文学部, 教授 (90066415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉崎 伸 京都市埋蔵文化財研究所, 研究主任
伊東 隆夫 京都大学, 木質科学研究所, 教授 (70027168)
切畑 健 大手前女子大学, 文学部, 教授 (80000363)
井上 正 佛教大学, 文学部, 教授 (00000365)
田辺 昭三 京都造形芸術大学, 芸術学部, 教授 (90068817)
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Keywords | 出土文物調査 / 仏教壁画 / 染繊工芸品 / カローシュティー木簡 / 経綿 / 木質調査 / 衛星写真 / 写真永久保存 |
Research Abstract |
98年度は、ニヤ遺跡調査は行なわず、ウルムチの新彊文物考古研究所にて収集済み文物の調査研究を実施した。調査には7回に分かれて延べ19名の研究者が参加し、4分野の領域(木質学・カローシュティー木簡・仏教壁画・染織工芸・考古学)から調査研究を行った。概要は以下の通り。〔木質調査〕収集済み木製品から43点のサンプルを選び出し、プレパラートを作成して顕微鏡で樹種同定調査を行い、15点のサンプルからプレパラートを作成し日本に持ち帰った。さらに、18点の木製品のC14分析をして、木製品の年代測定をおこなった。〔カローシュティー木簡調査〕ニヤ出土の10点の木簡について、次の調査研究を行った。(1)日本に於いて写真からでは判読困難な文字を実物から再度確認する調査。(2)中国隊が付けた木簡番号との照合確認。(3)木簡出土場所の再確認。(4)木簡の写真撮影。〔仏教壁画調査〕ニヤ遺跡の《N5寺院址》から出土した小規模の壁画仏陀と菩薩像について、その画法の特徴と年代の確定に関する解決法を試みた。すなわち、周辺の仏教寺院址壁画との比較調査である。今年度は、ケリヤ川のカラドン遺跡・ベゼクリク石窟・北庭西寺を視察した。〔出土文物調査〕ニヤ遺跡から過去に出土した文物は、膨大であってその全体像を掴むため文物の実測等の調査が考古学の分野から行われた。〔その他〕設備備品として購入した衛星写真(スポット衛星写真)は、ニヤ北方45kmに存在する新遺跡(ニヤ北方遺跡)が旧ニヤ川々床にほぼ沿ってあることが確認できた。衛星写真は、今後の新遺跡調査の分析についても活用したい。また、90年度から97年度までのニヤ遺跡において撮影した写真は膨大で、その中、貴重なフィルムについては劣化を防ぐためCD-ROMに納めて保存する処理を行った。
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Research Products
(1 results)