1999 Fiscal Year Annual Research Report
東アジアサブリージョナルマーケットの形成と日系企業の役割
Project/Area Number |
09041077
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
木村 福成 慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (90265918)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 信次 早稲田大学, 社会科学部, 助教授 (90218446)
佐々波 楊子 明海大学, 経済学部, 教授 (30051288)
浦田 秀次郎 早稲田大学, 社会科学部, 教授 (10185085)
河井 啓希 慶應義塾大学, 経済学部, 助教授 (00276396)
|
Keywords | 経済統合 / 直接投資 / 多国籍企業 / 工業化 / 産業政策 / 国際金融 / アジア / 中国 |
Research Abstract |
調査研究の第3年度(最終年度)にあたる本年度は、再び中国経済を取り上げ、1997年7月に上海・蘇州地区と深セン・香港地区の現地調査を行った。そこでは日系をはじめとする外資系企業を多数訪問し、実物面と金融面の両方から進んできているサブリージョナルのレベルでの経済統合の実態を把握した。そこでは特に、経済統合がさまざまな形態で重層的に進行しつつあること、また外資系企業を核とする産業集積が形成されつつあることを確認した。国境で区切られた国民経済を単位とするのではなく、サブリージョンで経済を把握することの重要性が確認された。 また、中国と東アジア全域を含めた経済統合の実態を把握するため、貿易・直接投資と金融に関する統合の進捗状況を評価し、あわせて関連政策の現状をレビューした。アジア諸国ではアジア経済危機以降、経済の実態、政策環境の双方に関し、さまざまな不可逆的な変化が起きていることが明らかとなった。国境を越えた経済の結びつきがより一層強くなるとともに、国境線で課される貿易政策を中心とする産業保護政策の根本的見直しも始まっていることが確認された。 3年間にわたる研究成果は佐々波楊子・木村福成編『アジア経済圏の再編成:貿易・直接投資と金融(仮題)』というタイトルで出版する予定である。そこには研究代表者、研究分担者に加え3人の研究協力者の論文も掲載することになっている。現在、出版に向けての詳細な原稿修正と全体の調整・編集作業を行っており、年度内には入稿の予定である。
|
-
[Publications] 木村福成: "Trade and FDI-related policies East Asian Countries:The Asian Crisis and Beyond""Experiences of Economic Reform within APEC"the Insitute of Policy Studies at Victoria University of Wellington. (1999)
-
[Publications] 佐々波楊子、河井啓希: "欧州・アジア・北米における日本企業の海外事業展開"三田学会雑誌. 91巻2号. 18-30 (1998)
-
[Publications] 木村福成: "日本企業の活動の国際化とアジアの経済統合"国際問題. 447. 28-45 (1997)
-
[Publications] Sazanami,Y.and Yoshimura,S: "Restructuring East Asia Exchange Rate Regiues"Journal of Asian Economics. Vol 10.4. (1999)
-
[Publications] 佐々波楊子: "海外直接投資と貿易-日本の企業内貿易について"三田学会雑誌. 90巻・3号. (1997)
-
[Publications] Sazanami Y.And Kawai,H.: "An Empirical Anaysis of Japanese Multinational Corporate Strategies in Europe,Asia and North America"Sang-Gon Lee and Ruffini,P-B eds The Global Integration of Europe and East Asia Edward Edger. (1999)
-
[Publications] 浦田 秀次郎(共編著): "21世紀のアジア経済"東洋経済新報社. 211 (1999)
-
[Publications] 長谷川 信次: "多国籍企業の内部化理論と戦略提携"同文館. 252 (1998)