1997 Fiscal Year Annual Research Report
国際労働力移動を通じた技術移転の可能性に関する研究:新しい国際協力の手法を求めて
Project/Area Number |
09041083
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Field Research |
Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
吉田 良生 朝日大学, 経営学部, 教授 (50182796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西牧 義江 四日市大学, 経済学部, 助教授 (30228209)
UPALI Arnand 鈴鹿国際大学, 国際学部, 助教授 (00271396)
陳 立行 日本福祉大学, 情報社会科学部, 助教授 (60278314)
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Keywords | 技術移転 / 国際労働力移動 / 中国 / ブラジル / フィリピン / 研修生 / 外国人労働者 / 日系企業 |
Research Abstract |
中国,ブラジル,およびフィリピンの3ヶ国において労働力の移動を通じた技術移転の必要性と可能について聞き取り調査とアンケート調査のパイロット・サーベイを行った。聞き取り調査の結果によれば,日系企業の場合日本国内と同等かないしは技術的にはより進歩した機械を設置しているにもかかわらず,平均すると生産性は5分の1から6分の1である。賃金コストの差が生産性の低さによって相殺された形である。低生産性の最大の理由はハードの機械設備を使いこなすソフトの技術の遅れである。このソフトの技術の移転については研修生制度は効果的であるという肯定的な評価が主流であった。しかし,中国においては日本での研修で得た技術が活用できないような職場のム-ドであるとか,技術を無視した配置転換などによって研修の成果が十分に活かされていないなどの評価もあった。いずれにせよ,日本型のマネジメント・システムも含めたソスト面の技術あるいは技能の移転の必要性は大きい。アンケート調査の為のパイロット・サーベイも行ったが,依頼した企業はいずれも協力的であり,従業員も大変協力的であった。来年度のアンケート調査は十分に可能であり,アンケートの質問内容についても多くのコメントがあり,こうした点について修正すれば,調査は可能である。
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