1999 Fiscal Year Annual Research Report
中国の酸性大気汚染物質モニタリングに適する簡易測定器の開発と評価
Project/Area Number |
09041126
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Research Institution | University of Tokushima |
Principal Investigator |
伊永 隆史 徳島大学, 総合科学部, 教授 (30124788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 勝夫 鳴門教育大学, 学校教育学部, 教授 (60028206)
村田 明広 徳島大学, 総合科学部, 助教授 (20143373)
水野 建樹 工業技術院, 資源環境技術総合研究所, 次長(研究職)
山田 悦 京都工芸繊維大学, 工芸学部, 助教授 (30159214)
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Keywords | パッシブサンプラー / 東アジア / 微量物質 / 有害物質 / 酸性大気汚染物質 / 風洞装置 / 酸性雨 / モニタリング |
Research Abstract |
本年度は、前年度に引き続き、ハーバード大学のSpengler教授やパッシブサンプラー創始者の同大学Yanagisawa併任教授らの協力を得て実施出来たので、将来の大気環境保全対策のために有益な酸性大気物質関連の測定データが得られた。欧米や日本ではパッシブサンプラーを用い大気環境モニタリングは調査済みであるが、風速・湿度・温度等による測定因子の影響配慮が不可欠とされ、中国の気象条件に適合した操作特性に関する評価の調査検討が主目的となった。 (1)本年度は、最適なSOx、NOxパッシブサンプラーの組み合わせで、中国各地(北京、大連・瀋陽、上海、重慶・武漢、広州)において測定データの集積および解析を実施した。 (2)中国に最適なSOx、NOxパッシブサンプラーの組み合わせによる酸性大気汚染物質モニタリング方法について、標準となる操作マニュアルの確立のみならず、周辺のメンテナンス技術などの整備を将来行うため、中国環境科学研究院等で一連の分析操作を通して諸検討を行った。 (3)SOx、NOx簡易測定データの用途の一つとして、これまで中国各地で測定、集積した酸性大気汚染物質のデータを用い、中国5大都市部における呼吸器系疾患の罹患率との相関、および日本海沿岸部の酸性雨、酸性雪との相関などについて、詳細な解析・評価を試み、さらにこの学術的調査の成果を中国に代表される発展途上国へ本格的に技術移転するための総合判断を実施した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 伊永隆史: "マイクロチップテクノロジーによるパッシブサンプラーのデバイス化"室内環境学会セミナー講演要旨集. 11・3. 1-25 (2000)
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[Publications] T.Korenaga,Y.Shintani,Y.Yang,X Zhang: "Development of Passive Technology for Simultaneous Sulfur Dioxide and Nitrogen Dioxide Monitoring"Air Quality and Atmospheric Science. 6. 40-46 (1999)
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[Publications] T.Korenaga: "Simple Determination of NQ and SQ Using Passive Samplers in Air Pollution Monitoring"Waste Management. 3. 94-103 (1999)
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[Publications] 伊永隆史: "室内外環境汚染とモニタリング"日本学術会議50周年記念環境工学連合講演論文集. 14. 25-32 (1999)
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[Publications] 柳沢幸雄,伊永隆史,他12名: "パッシブサンプラー方式有害大気物質簡易測定器"環境研究. 115. 8-11 (1999)
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[Publications] 伊永隆史: "中国の酸性大気汚染物質モニタリングに適する簡易測定器の開発と評価"文部省科学研究費補助金国際学術研究(学術調査). 207 (1999)
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[Publications] 池田早苗,伊永隆史: "SOx,NOx簡易測定による東南アジア地域酸性雨の特性評価"文部省科学研究費補助金国際学術研究(学術調査). 167 (1999)
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[Publications] 檜山爲次郎,伊永隆史外: "高次機能触媒の設計-環境調和型触媒の開発を目指した新展開"日本化学会(季刊化学総説). 228 (1999)