1997 Fiscal Year Annual Research Report
森林火災が北方ユーラシアの生物圏・凍土圏の生物多様性と炭素環境に与える影響の研究
Project/Area Number |
09041140
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Field Research |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
高橋 邦秀 北海道大学, 農学部, 教授 (80281707)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 正人 北海道大学, 農学部, 助手 (10226194)
福山 研二 森林総合研究所, 北海道支所, 研究室長
福田 正巳 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (70002160)
矢島 崇 北海道大学, 農学部, 助教授 (90142702)
波多野 隆介 北海道大学, 農学部, 助教授 (40156344)
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Keywords | 北方ユーラシア / 森林火災 / カラマツ林 / 土壌呼吸 / 土壌動物 |
Research Abstract |
本年は初年度なので調査地選定のために概査を行い、ヤク-ツク郊外で調査地として適した森林火災跡地と対照地を選定した。火災後1年目、5年目の調査地各1カ所と隣接する対照地1カ所、他に代表的なカラマツ林1カ所を対照地として選び計4カ所を調査地とした。各調査地では、植生調査、毎木調査(対照地のみ)、土壌呼吸量の測定、土壌の理化学性調査用の土壌サンプル及び土壌動物調査用の土壌サンプルを採取した。1年目の火災跡地は地表火によるものなので上木が残っているが、5年目の調査地は樹冠火により無立木状態となっている。1年目の火災跡地の下層植生は、裸地状の所とコケモモがパッチ状に分布しており、徹底的に燃えたと思われる5年目の火災跡地ではヤンギランが優占し、永久凍土の融解に伴う地下水の上昇によりコケ類が多くなっている。対照地の下層植生はコケモモが圧倒的に優占し、ツツジやスゲを随伴している。対照地2カ所の上木の密度は2,104本/haと2,234本/haで、胸高直径(cm)・樹高(m)の最大値ー最小値(平均値)はそれぞれ41.80ー0.10(8.65)・19.50ー1.30(8.15)、34.50ー0.10(9.30)・17.5ー1.30(8.97)となっている。土壌呼吸量は火災跡地で明らかに低下している。土壌動物のダニ類は対照地で13~15種観察されているが、火災跡地では種数も密度も半数以下に低下している。トビムシ類も同様の傾向を示しているが、湿地化している5年目の跡地での減少が大きい。このように永久凍土地帯での森林火災の影響は、土壌呼吸や土壌動物に大きな影響を与えている。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kenji FUKUYAMA: "Soil micro-arthropods in Siberian permafrost area 1 year and 5 year after wild fir" Proc. the 6th Symposium on the Joint Siberian Permafrost Studies between Japan and Russia in 1997. (印刷中).
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[Publications] Takashi YAJIMA: "Stand structure and biomass of Larix cajanderi forest in Siberian taiga" Proc. the 6th Symposium on the Joint Siberian Permafrost Studies between Japan and Russia in 1997. (印刷中).
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[Publications] Takuji SAWAMOTO: "Soil respiration in Siberian-Taiga ecosystems with different history of forest fire" Proc. the 6th Symposium on the Joint Siberian Permafrost Studies between Japan and Russia in 1997. (印刷中).