1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09041159
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Research Category |
Grant-in-Aid for international Scientific Research
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Section | Field Research |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
和田 英太郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40013578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 敦子 京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (50235892)
占部 城太郎 京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (50250163)
上田 眞吾 資源環境技術総合研究所, 技官
吉岡 崇仁 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助手 (50202396)
東 正彦 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40183917)
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Keywords | 東アジア / 地球温暖化 / 炭素循環 / 森林生態 / 陸水学 / ガスフラックス / バイカル / 熱帯林 |
Research Abstract |
大気CO2の上昇や温暖化に対する陸域生態系(森林・河川・湖沼)の応答やガス代謝にみられるフィードバック機構を解明するための国外調査を行った。特に本年度は、国内との比較研究が行えるように、調査拠点の策定と整備を行うとともに、今後のモニタリングに必要な資料・情報収集と予備調査を実施した。調査は、IGBP-TEMAが研究対象とするバイカル集水域(ロシア・モンゴル)、ヤク-ツク(ロシア)、バンナラ河(タイ)及びロスバニョオス(フィリピン)において行った。 まず、バイカル集水域では、ロシア研究者と共同で調査手法の検討を行うとともに、バイカル湖において炭素循環に関するサンプリングを行った。その成果にもとづき環境変化に伴う物質循環の変動パターン予測に必要な観測体制を整備した。また同様の調査は、バイカル湖上流のフブスグル湖(モンゴル)でも実施し、現地観側研究者と共同で観測データを集積するための手法と観測体制を検討した。 ヤク-ツクにおいては、現地での予備調査を行い、代表的な林分から3つの調査プロットを確定した。各プロットにおいては、さらに森林構成を調べるとともに、ガスフラックスと炭素循環の測定に必要な土壌等のサンプルを採集した。 バンナラ河集水域においては、すでに調査体制が確立しているため、ガスフラックスと炭素循環について時間解像度を上げるための調査を行った。その結果、土壌におけるN2OやCH4のガス代謝は、集水域の構造や降雨と密接に連動して変化することが明らかとなり、炭素循環は森林や河川を一つのユニットとしてとらえなければ理解出来ないことを実証した。 マニラ郊外にあるロスバニョオスにおいては、森林とその物質循環に及ぼす人為的影響や自然災害の影響を明らかにするための予備調査と情報収集を行った。特に当該地域は、ビナツボ火山の影響からまた十分に回復しておらず、また経済的発展により今後ますます森林に対する人為的影響が強くなると考えられる。そのため、環境変化に伴う陸域生態系の変化予測を行うためのモニタリングを早急に策定する必要性が確認された。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Yoshii, K., Wada, E., Takamatsu, N., Karabanov, E.B.and Kawai, T.: "^<13>C and ^<15>N Abundances in the Sediment Core(Ver92/1-St-10-GC2)from Northem Lake Baikal" Isotopes Environ.Health Stud.33. 277-286 (1997)
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[Publications] Ishii, R.and Higashi, M.: "Tree coexistence on a slope:an adaptive significance of trunk inclination" Proceedings of the Royal Society. B264. 133-140 (1997)
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[Publications] Yoshioka, T.: "Phytoplanktonic carbon isotope fractionation:equations accounting for CO_2-concentrating mechanisms" Journal of Plankton Research. 19. 1455-1476 (1997)
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[Publications] Urabe, J., J.Classen and R.W.Stemer: "Phosphorus limitation of Daphnia growth:is it real?" Limnology and Oceanography. 42・6. 1436-1443 (1997)
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[Publications] Sugimoto, A.and Fujita, N.: "Chracteristics of methane emissioin from different vegetations on a wetland" Tellus. 49B. 382-392 (1997)
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[Publications] Tsuyuzaki, S.: "Wetland development in the early stages of volcanic succession" Journal of Vegetation Science. 8. 353-360 (1997)
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[Publications] 和田 英太郎: "地球化学の発展と展望" 東海大学出版会, 8 (1997)