1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09041159
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
和田 英太郎 京都大学, 生態学研究センター, 教授 (40013578)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊谷 道夫 滋賀県琵琶湖研究所, 専門研究員 (40234512)
杉本 敦子 京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (50235892)
占部 城太郎 京都大学, 生態学研究センター, 助教授 (50250163)
上田 眞吾 資源環境技術総合研究所, 技官
吉岡 崇仁 名古屋大学, 大気水圏科学研究所, 助手 (50202396)
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Keywords | 東アジア / 地球温暖化 / 炭素循環 / 森林生態 / 陸水学 / ガスフラックス / バイカル / 熱帯林 |
Research Abstract |
大気CO2の上昇や温暖化に対する陸域生態系(森林・河川)の応答やガス代謝にみられるフィードバック機構を解明するための国外調査を行った。本年度は昨年に引き続き現場調査とサンプリングを実施するとともに、国内との比較研究を促進するための調査拠点の整備及びモニタリングに必要な資料と情報収集を行った。調査はIGBP-TEMAが研究対象とするバイカル集水域(ロシア・モンゴル)、ヤクーツク(ロシア)及びバンナラ河(タイ)において行った。 バイカル集水域では、バイカル湖水・河川水についてサンプリングを行い、炭素循環の変動パターン予測に不可欠となる陸上起源物質、特に炭素有機物の流入特性と湖内分布を集中的に調査した。また、炭素循環と関連したN2Oガス代謝の測定も行った。バイカル湖上流のフブスグル湖(モンゴル)においては、陸上起源物質の湖内分布を調査するとともに、水位変動など物理特性の調査を行った。その結果、湖水中の陸上起源物質の量比は集水域の植生・地質と密接に関係していることが明らかにされた。 ヤクーツクにおいては、先年度に設置したリタートラップを回収し、樹木の光合成特性及び土壌と水ポテンシャルの関係を調査した。その結果、温度と乾湿が土壌水分をつうじて植生に大きく作用していることが明らかにされた。 バンナラ河集水域においては、時間・空間解像度をさらに高めた調査を行った。その結果、土壌におけるN2OやCH4のガス代謝は集水域の構造と密接に関わっており、集水域全体をとらえることで炭素循環系が解明されることを示した。
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