1999 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09044017
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Research Institution | Nara National Cultural Properties Research Institute |
Principal Investigator |
小林 謙一 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 情報資料室長 (70110088)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
花谷 浩 奈良国立文化財研究所, 飛鳥藤原宮跡発掘調査部, 主任研究官 (70172947)
岩永 省三 奈良国立文化財研究所, 平城宮跡発掘調査部, 主任研究官 (40150065)
金子 浩之 奈良国立文化財研究所, 埋蔵文化財センター・研究指導部, 部長 (10000499)
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Keywords | 埋葬遺構 / 文石墓 / 周溝墓 / 土壙墓 / 木棺墓 / 古墳 / 副葬品 / 葬送観念 |
Research Abstract |
3年間にわたり収集してきた埋葬関係資料の見直しと補足調査を行うとともに、韓国において出版された古墳・墳墓等の埋葬関係の文献を、新石器、青銅器・初期鉄器、原三国、三国、統一新羅・渤海の時代ごとに整理し、目録を作成した。なお、多岐にわたる三国時代については、さらに、高句麗、百済、新羅・伽耶の3地域にわけた。また、日本において刊行された韓国研究者の論文等もこれに加えた。 研究成果を相互に検討するため、日韓両国研究者で合同研究会を開催した。また、共同研究を進める過程で、かつては、日本列島独自とされてきた埋葬形態である前方後円墳のみならず、方形周溝墓についても、近年、韓半島において、発掘調査例が増加しつつある現状を考慮すると、今後、より詳細な比較研究が必要であることが認識された。これと関連して、比較研究の基礎ともいえる遺跡の年代を決める資料となる遺物の年代観については、例えば、韓半島の陶質土器と日本列島の初期須恵器の年代関係、さらには、日韓における北方系武器・武具の受容形態に見られる違いのように、検討すべき重要な課題がまだ残されている点で、日韓の研究者の間で意見が一致した。 古代における日韓の交流については、弥生時代・古墳時代にあっては、埋葬形態や副葬遺物等を含めた埋葬法を比較検討することにより、時期によって、韓半島から日本列島へ及ぼされる影響の内容に差が認められるとともに、韓半島における日本列島からの影響も確認され、交流に粗密のあることが明らかになった。
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