Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
IWANTONO Sut インドネシア協同組合省, 小企業開発研究所, 所長
横溝 功 岡山大学, 農学部, 助教授 (00174863)
樋口 昭則 帯広畜産大学, 畜産学部, 教授 (40250534)
岸本 憲明 くらしき作陽大学, 食文化学部, 助教授 (80132421)
田野 達男 くらしき作陽大学, 食文化学部, 教授 (60032976)
|
Research Abstract |
調査対象地であるジャワ島スメル山麓のマジャングテンガ村の農業も,化学肥料と農薬をベースとしてきている。ここにおける土地利用は,水田利用,畑利用,ブカランガン(屋敷地)利用であるが,これらの土地利用のなかで,畑利用,ことに傾斜畑地のサトウキビ作付地のPHが著しく酸性化している。この酸性化は、土壌の表土で著しいので,雨水に溶けた酸性の肥料成分の流出によるミネラルの溶脱ではなくて,サトウキビの持出しによるミネラルの収奪が主要な理由となることを,土壌深度別のPHを測り,示した。現地のサトウキビは,精糖工場に運ばれて,精糖化されている。この過程で,バカスとバカス灰とフィルターケーキが生じる。バカスは工場において燃料として利用され,バカスをもやした灰と,サトウキビのジュースを布でこすときに,残ったフィルターケーキが残滓として,工場からサトウキビ産地に還流されているが,サトウキビ作付農家は,畑地が劣化するとして,この残滓を全く利用していない。すなわち,サトウキビ作を刈り取った後,その残滓が畑地に還流していないことが、土壌劣化の原因となっている。現地において,これらの精糖工場の残滓と青果市場の残滓,水田のイナワラをベースに,現地の長老の全面的協力の下に,好気性醗酵のコンポストをつくる試験を行い,成功した,我々のマニュアルに従い,長老は,このコンポストをサトウキビ,トウロモコシ,コーヒーの試験畑地に投入している。このコンポスト投入試験の結果を調べて,畑土壌の劣化を回復し,生産力をあげる,村是の基本条件を示していきたい。
|