1999 Fiscal Year Annual Research Report
学校におけるいじめの実態調査とその打開策に関する日加共同研究
Project/Area Number |
09044037
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Research Institution | Daitobunka University |
Principal Investigator |
河内 徳子 大東文化大学, 文学部, 教授 (10129934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
折出 健二 愛知教育大学, 教育学部, 教授 (20109367)
杉田 明宏 大東文化大学, 文学部, 講師
沼口 博 大東文化大学, 文学部, 教授
片岡 洋子 千葉大学, 教育学部, 助教授
乾 彰夫 東京都立大学, 人文学部, 教授
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Keywords | いじめ / コンフリクト / ホール・スクール・ポリシー / ピア・グループ / ピース・メーカー / メディエイター / リエゾン |
Research Abstract |
平成十一年度は最終年度であるため、この三年間に行なったの調査結果や打開策の有効性についての検討、そしてカナダ側の研究や打開策および実践等との比較検討を中心として研究を行なった。その一貫として99年9月には日本教育学会と日本生活指導学会での研究発表を行なった。また研究分担者はその分担に基づき実践協力校やカナダ側の教育および自治体諸機関との意見交換や研究交流等をとおしてわれわれの研究の成果を相対的に比較し、明らかにする活動を行なった。こうした研究活動をとおして、われわれはカナダ側との相違点と類似点を浮き彫りにすることができた。(特にカナダ側という場合、アメリカやヨーロッパを含んだといいう意味合いを持っていると考えてよい。)相違点としては日本とカナダおよびアメリカ・ヨーロッパ社会における個人と集団との関係の違いであった。アメリカ・ヨーロッパ社会が基本的に個人主義社会であり、そのために個人の自立あるいは確立が社会を成立させる原点にすえられているという点である。いじめに対する打開策の基本にはこうした視点が必ず置かれていた。一方、類似点は陰湿さや集団による仲間はずし、大人には見分けにくいという部分であった。この点で、思春期から青年期にかけての仲間集団の形態や力学関係等に類似点が見られたのは興味深かった。日本とカナダの社会的な構造が異なっている一方で、思春期および青年期の若者達の自立の過程には意外にも似通った部分があることを理解することができた。その意味では相互に研究、交流活動を行なっていく意味が再確認できるものであった。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 片岡洋子: "「消費社会をともに生きる親と子」"生活指導. 545号. (1999)
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[Publications] 片岡洋子: "「子どものファッションへの関心と消費社会」"日本生活指導学会『生活指導研究』. 16号. (1999)
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[Publications] 浅野誠: "「関係性の創造の教育を」"生活指導. 546号. (1999)
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[Publications] 浅野誠: "「総合学習と集団作り」"生活指導. 537号. (1999)
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[Publications] 乾彰夫: "「国民が望む教育改革とは何か」"経済. (1999)
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[Publications] 照本祥敬: "『おとなと子どもの関係を再生する条件とは何か』"あゆみ出版. 186 (2000)
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[Publications] 乾彰夫: "いじめ自殺 6つの事件と子ども・学校のいま"教育科学研究会・村山士郎・久冨義之編 国土社. (1999)