1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
09044062
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
福田 共和 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50116092)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
応田 治彦 東北大学, 理学部, 助手 (60221818)
田村 裕和 東北大学, 理学部, 助教授 (10192642)
岸本 忠史 大阪大学, 理学部, 教授 (90134808)
今井 憲一 京都大学, 理学部, 教授 (70025493)
永江 知文 高エネルギー加速器研究機構, 素粒子原子核研究所, 助教授 (50198298)
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Keywords | ハイパー核 / ストレンジネス / 中間子崩壊 / ダブルラムダ核 / 中間エネルギー核物理 |
Research Abstract |
本研究は、円筒型検出器系(CDS)とブルックヘブン国立研究所(BNL)AGS加速器の高強度K^-ビーム(10^6/秒、運動量1.8GeV/c)を用い、ダブルラムダハイパー核(ΛΛ核)を従来の二桁以上多量に生成し、その性質を調べることを目指している。ΛΛ核からの2回連続崩壊するπ^-中間子をCDSで検出し、ΛΛ核の同定を行う。昨年度10月までにCDSの建設を終了し、12月に文部省高エネルギー研究所(KEK)において基礎性能を確認するためのテスト実験を行ない、CDSは予想された基本性能を有することが確認された。その後CDSをBNLに向けて搬出し、BNLで最終の組み立てを行なった後、AGS加速器のDラインに設置した。このDラインは、以前から(K^-,K^+)反応を用いる実験に使われていたもので、そのターゲット領域にCDSを導入した。本年度4月からは、実際のK^-ビームを用い、CDSおよびK^+検出用のスペクトロメータの調整を行なった。その途中、CDSの測定器の一つであるZ-Chamber(CDZ)を発生源とする発振が、CDS全体に影響を及ぼしていることが確認されたが、この発振を抑える為様々な対策を講じ、運転可能な状態を得て、5月より本実験に入った。その結果Ξ^-生成率として6×10^<-7>/K^-が得られ、これはこれまでの結果と一致しスペクトロメーター系の調整は完成した。CDSではΞ粒子の崩壊がきれいに見えており、今後検出効率を評価する。 本年度は^5_Λ_ΛH生成量が約120個、また生成したΞ^-のうちで^9Beターゲット中に停止したものが約3600個程度と期待され、これらから2つのπ^-を放出して崩壊するイベントについて解析を進めていく。近いうちにπ^-運動量分布などの、予備的な結果を出す予定である。又、2π^ーバーテックスの解像度を高めるために、ターゲット上下にシリコンマイクロストリップ検出器の導入を進めており、こうした改良を行い来年度9月以降、本格的なデータ収集を行なう予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yasuo Yamamoto: "Production of Double-Λ Hypernuclei at (K^-,K^+) Reaction Point and Their Pionic Decays" Nuclear Physics. A625. (1997)
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[Publications] Tomokazu Fukuda: "Search for ΛΛ hypernuclei by sejuential pionic decays" Nucleai Physis. (発表予定). 107-142